問題

III-34 環境ラベルに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

① 省エネラベリング制度では、省エネ法(エネルギーの使用の合理化等に関する法律)により定められた省エネ基準をどの程度達成しているかをマークの色で表現する。

② カーボンフットプリントコミュニケーションプログラムは、オフィス機器について、稼働時、スリープ・オフ時の消費電力に関する基準を満たす商品に専用のマークを表示する制度で、日本、米国のほかEU等9か国・地域が協力して実施している国際的な制度である。

③ グリーンマークは、原料に古紙を規定の割合以上利用していることを示す環境ラベルである。

④ エコリーフ環境ラベルは、製品の環境情報をライフサイクルアセスメントの手法を用いて定量的に表示し、公開することにより、グリーン購入・調達に活用し、環境負荷のより少ない製品の開発・製造・販売の動機づけとなることをねらいとしている。

⑤ エコマークは、ISOの規格に則った我が国唯一の第三者認証による環境ラベルである。

解答

正解は 2 になります。

環境ラベルに関する問題の解説

この問題は、環境ラベルの種類や特徴について正確に理解しているかを問うものです。環境ラベルは、製品やサービスが環境に配慮していることを示すマークであり、消費者や事業者が環境への取り組みを評価する指標として重要です。


環境ラベルとは?

環境ラベルは、製品やサービスが生産から廃棄までのライフサイクル全体で環境負荷を低減する取り組みを示すマークです。これにより、消費者や事業者が環境配慮型の商品を選びやすくなります。

環境ラベルの主な目的

  1. 情報提供:製品の環境性能を消費者に分かりやすく伝える。
  2. 選択支援:環境負荷の少ない商品を選ぶための指標となる。
  3. 環境改善:企業がより環境に優しい製品を開発する動機づけとなる。

環境ラベルの種類(ISO規格による分類)

  • タイプI(ISO14024):第三者認証による合格証明(例:エコマーク)。
  • タイプII(ISO14021):事業者自身による宣言(例:リサイクル可能マーク)。
  • タイプIII(ISO14025):定量的データの開示(例:エコリーフ)。

各選択肢の詳細解説

選択肢①

省エネラベリング制度では、省エネ法(エネルギーの使用の合理化等に関する法律)により定められた省エネ基準をどの程度達成しているかをマークの色で表現する。

  • 解説:これは正しい記述です。省エネラベリング制度では、省エネ基準達成率が「グリーン」または「オレンジ」の色分けで表示されます。この制度は、省エネ性能の向上を促進し、消費者が省エネルギー機器を選びやすくすることを目的としています。

選択肢②

カーボンフットプリントコミュニケーションプログラムは、オフィス機器について、稼働時、スリープ・オフ時の消費電力に関する基準を満たす商品に専用のマークを表示する制度で、日本、米国のほかEU等9か国・地域が協力して実施している国際的な制度である。

  • 解説:これが不適切な記述であり、正解です。カーボンフットプリント(CFP)は製品やサービスのライフサイクル全体で排出される温室効果ガス量を「見える化」する制度であり、オフィス機器や消費電力基準とは無関係です。また、日本、米国、EUなど複数の国が協力して実施している制度ではありません。

選択肢③

グリーンマークは、原料に古紙を規定の割合以上利用していることを示す環境ラベルである。

  • 解説:これは正しい記述です。グリーンマークは古紙利用製品に付けられるもので、古紙利用率40%以上(製品によって異なる)など一定基準を満たした場合に表示されます。

選択肢④

エコリーフ環境ラベルは、製品の環境情報をライフサイクルアセスメントの手法を用いて定量的に表示し、公開することにより、グリーン購入・調達に活用し、環境負荷のより少ない製品の開発・製造・販売の動機づけとなることをねらいとしている。

  • 解説:これも正しい記述です。エコリーフ環境ラベルはLCA(ライフサイクルアセスメント)手法を用いて製品全体のライフサイクルにおける環境負荷データを定量的に公開するものであり、その情報はグリーン購入などに活用されます。

選択肢⑤

エコマークは、ISOの規格に則った我が国唯一の第三者認証による環境ラベルである。

  • 解説:これも正しい記述です。エコマークはISO14024(タイプI)の規格に基づいた第三者認証による日本独自の環境ラベルであり、「資源採取から廃棄まで」のライフサイクル全体で一定基準を満たした製品に付与されます。

問題の要点まとめ

  1. 環境ラベルには複数種類があり、それぞれ目的や対象が異なります。
  2. 省エネラベリング制度グリーンマークなどは日本国内で広く普及しており、それぞれ特定用途や基準があります。
  3. カーボンフットプリントプログラムは温室効果ガス排出量「見える化」の取り組みですが、「オフィス機器」や「消費電力基準」とは無関係です。
  4. 正解は選択肢②:「カーボンフットプリントコミュニケーションプログラム」に関する記述が不適切です。

感想

環境ラベルの問題でした。

この手の問題は過去問には出ておりませんでしたね。

昨今、環境配慮も経営工学として重要な要素になっているのでしょうね。

今日の問題はなんとなく正解していました。

まあ、きっとマグレですね!

でも問題文に違和感ありありだったのも事実!!