問題
Ⅲ-17 以下に示す計数規準型一回抜取検査表を用いたとき、次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、p₀はなるべく合格させたいロットの不良率の上限、p₁はなるべく不合格としたいロットの不良率の下限、nは試料の大きさ、cは合格判定個数とする。
細字n, 太字c
p₀ (%) / p₁ (%) | 0.71~0.90 | 0.91~1.12 | 1.13~1.40 | 1.41~1.80 | 1.81~2.24 | 2.25~2.80 |
---|---|---|---|---|---|---|
0.090~0.112 | * | 400 1 | ↓ | ← | ↓ | → |
0.113~0.140 | * | ↓ | 300 1 | ↓ | ← | ↓ |
0.141~0.180 | * | 500 2 | ↓ | 250 1 | ↓ | ← |
0.181~0.224 | * | * | 400 2 | ↓ | 200 1 | ↓ |
0.225~0.280 | * | * | 500 3 | 300 2 | ↓ | 150 1 |
① n=500、c=2のとき、p₀は0.225%〜0.280%、p₁は1.13%〜1.40%となる。
② p₀=0.12%、p₁=1.9%のとき、n=300、c=1となる。
③ n=250、c=1、p₀=0.18%のとき、p₁は2.25%〜2.80%となる。
④ p₀=0.20%、p₁=1.5%のとき、n=300、c=2となる。
⑤ n=400、c=1のとき、p₀は0.090%〜0.112%、p₁は1.41%〜1.80%となる。

解答
正解は 4 になります。
問題の背景と全体像
一回抜取検査は、ロットの品質を判定するために試料を抜き取り、その結果に基づいてロット全体の合否を決定する手法です。
この問題は、計数規準型一回抜取検査表を用いて、指定された条件(p₀, p₁, n, c)に基づく記述が正しいかどうかを検証するものです。
用語の定義
- p₀: 合格させたいロットの不良率の上限(良品ロットの基準)。
- p₁: 不合格としたいロットの不良率の下限(不良ロットの基準)。
- n: 試料の大きさ(抜き取るサンプル数)。
- c: 合格判定個数(許容される不良品数)。
検査表の読み方
画像に示された検査表では、以下の情報が提供されています:
- 試料サイズ(n): 抜き取り試料数。
- 合格判定個数(c): 許容される不良品数。
- p₀とp₁: 不良率範囲。
例えば、n=300、c=2の場合、p₀は0.20%〜0.224%、p₁は1.41%〜1.80%となります。
- 「→」: 該当する条件(p₀, p₁)で試料サイズ(n)と合格判定個数(c)が右側の列に存在することを示します。
- 「←」: 該当する条件が左側の列に存在することを示します。
- 「↓」: 該当する条件が下側の行に存在することを示します。
- 「↑」: 該当する条件が上側の行に存在することを示します。
- 「*」: 条件が該当しない場合を示します。
各選択肢の詳細検証
選択肢① 「n=500、c=2のとき、p₀は0.225%〜0.280%、p₁は1.13%〜1.40%となる」
- 適切性: 不適切
- 理由: 検査表を見ると、n=500、c=2の場合:
- p₀: 「0.113%〜0.140%」および「0.141%〜0.224%」が該当します。「0.225%〜0.280%」は該当しません。
- p₁: 「0.91%~1.12%」が該当します。「1.13%〜1.40%」は該当しません。
選択肢② 「p₀=0.12%、p₁=1.9%のとき、n=300、c=1となる」
- 適切性: 不適切
- 理由: 検査表を見ると、p₀=0.12%、p₁=1.9%に該当する条件はn=250、c=1です。この記述は誤りです。
選択肢③ 「n=250、c=1、p₀=0.18%のとき、p₁は2.25%〜2.80%となる」
- 適切性: 不適切
- 理由: 検査表によると、n=250、c=1、p₀=0.18%の場合:
- p₁=1.41~1.80%。記述内容(2.25%〜2.80%)とは異なるため不適切です。
選択肢④ 「p₀=0.20%、p₁=1.5%のとき、n=300、c=2となる」
- 適切性: 適切
- 理由: 検査表を見ると、p₀=0.20%、p₁=1.5%の場合:
- 300 2と書かれてるセルの上側にある「↓」となります。
該当する条件が下側の行に存在ということでn=300、c=2となり記述内容と一致しているため適切です。
- 300 2と書かれてるセルの上側にある「↓」となります。
選択肢⑤ 「n=400、c=1のとき、p₀は0.090%〜0.112%、p₁は1.41%〜1.80%となる」
- 適切性: 不適切
- 理由: 検査表によると、n=400、c=1の場合:
- p₀=0.090%〜0.112%(正しい)。
- p₁=0.91%〜1.12%。「1.41%〜1.80%」とは異なるため不適切です。
問題の要点まとめ
- 一回抜取検査表では、試料サイズ(n)と合格判定個数(c)に基づき、不良率の範囲(p₀, p₁)が決まります。
- 検査表を正確に読み取り、記述内容と照らし合わせて整合性を確認することが重要です。
- p₀とp₁の値を間違えやすいため、特に注意が必要です。
感想
はじめてこのような表を見た!
最初はなにこの矢印??と思ったもののすぐ読み解けました。
で,本日も正解!
抜き取り検査に関してはこれくらいしか過去問なかったです。