問題
Ⅲ-22 多変量解析の手法として、最も不適切なものはどれか。
① クラスター分析
② ポートフォリオ分析
③ 判別分析
④ 主成分分析
⑤ 数量化分析

解答
正解は 2 になります。
多変量解析の概要
多変量解析は、複数の変数(データ項目)の関係性や構造を同時に分析し、データの特徴やパターンを明らかにするための統計的手法の総称です。
主な目的は、複雑なデータの中から重要な要因を抽出したり、データをグループ化したり、分類や予測を行うことです。
代表的な多変量解析の手法には、「主成分分析」「因子分析」「クラスター分析」「判別分析」「数量化分析」などがあり、これらはビジネス、品質管理、マーケティング、医療など幅広い分野で活用されています。
各選択肢の詳細解説
① クラスター分析
クラスター分析は、多変量解析の代表的な手法の一つです。
データの類似性や距離に基づいて、似たもの同士をグループ(クラスター)に分ける方法です。
マーケティングの顧客層分類や品質管理の不良品グループ化など、幅広い用途で使われます。
② ポートフォリオ分析
この選択肢が最も不適切です。
ポートフォリオ分析は、主に金融や経営戦略で使われる「資産配分」や「事業の位置づけ」を評価する手法であり、変量解析の統計的手法には含まれません。
たとえば、証券投資のリスクとリターンのバランスを考える「投資ポートフォリオ理論」や、
事業の成長性と市場シェアで分類する「BCGマトリクス」などが該当しますが、
これは多変量解析の枠組みとは異なります。
③ 判別分析
判別分析は、既知のグループに基づいて新しいデータを分類する多変量解析の手法です。
たとえば、顧客が購入するか否か、患者が病気か健康かなど、データをグループ分けする際に使われます。
④ 主成分分析
主成分分析は、多数の変数を少数の「主成分」に要約し、データの全体構造や特徴を把握するための多変量解析手法です。
次元削減やデータの可視化、ノイズ除去などに活用されます。
⑤ 数量化分析
数量化分析も多変量解析の一種で、特に質的データ(例:アンケートの選択肢など)を数値化して回帰分析や判別分析に用いる手法です。
数量化Ⅰ類・Ⅱ類・Ⅲ類などがあります。
多変量解析の主な手法まとめ表
手法名 | 主な目的・特徴 |
---|---|
クラスター分析 | データのグループ化・分類 |
判別分析 | グループ分類・新規データの所属判定 |
主成分分析 | 次元削減・データ要約・特徴抽出 |
数量化分析 | 質的データの数値化・回帰・判別分析への応用 |
因子分析 | 潜在的要因の抽出・構造の理解 |
まとめ:問題の要点
- 多変量解析は、複数の変数の関係性や構造を同時に分析するための統計的手法の総称。
- クラスター分析、判別分析、主成分分析、数量化分析は多変量解析の代表的な手法。
- ポートフォリオ分析は多変量解析の手法ではなく、主に金融や経営戦略分野の分析手法。
- 多変量解析の代表的な手法とその目的を押さえておくことが重要。
感想
あたりまえのことですが、それぞれの分析方法の特徴を知っていなければ答えれませんよね。
今回、解説で特徴は書きました。
ワタクシ、全部きっちりと理解していなかったので・・・。
でも、なんとなく今日は正解だったんだよな。
ポートフォリオ??ってすごく違和感あったので。


過去問はこちら。
最近、用語単体の出題が多いような気がする・・・・。