平成29年度 経営工学部門 Ⅲ-25

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問題

Ⅲ-25 運搬経路問題を解く際に用いられる制約条件のうち、最も不適切なものはどれか。

① 顧客の位置・需要量・作業時間

② 顧客の訪問順

③ 地点間の移動時間・移動距離・移動費用

④ 運搬車の最大積載量

⑤ 運搬車の最大稼働時間

解答

正解は 2 になります。

運搬経路問題(Vehicle Routing Problem, VRP)とは

運搬経路問題(VRP)は、物流や配送計画において「どの運搬車が、どの顧客を、どの順番で回るべきか」を決める最適化問題です。
目的は、総移動距離やコスト、必要な車両台数などを最小化しつつ、すべての顧客に商品やサービスを届けることです。

この問題には、現実の運用を反映するためにさまざまな制約条件が設けられます。
代表的な制約には「車両の最大積載量」「最大稼働時間」「顧客の需要量」「移動距離や移動時間」などがあります。
これらの制約を守りながら、最適な配送ルートを導き出すことが求められます。


各選択肢の詳細解説

① 顧客の位置・需要量・作業時間

  • 顧客の位置は、配送先がどこにあるかを示し、ルート設計の基礎情報となります。
  • 需要量は、各顧客がどれだけの商品を必要としているかを表します。車両の積載量制約と密接に関係します。
  • 作業時間は、各顧客のもとで荷下ろしやサービスにかかる時間です。これも運搬車の稼働時間制約に影響します。

これらは運搬経路問題において非常に重要なパラメータであり、制約条件としてよく使われます。

② 顧客の訪問順

顧客の訪問順は「どの顧客をどの順番で回るか」を決めるもので、これは運搬経路問題の「解」そのものです。
制約条件としては、「同じ顧客を複数回訪問しない」「一度だけ訪問する」「ルートが閉路にならない」などの形でモデル化されますが、「訪問順自体」は制約条件ではなく、最適化の対象(変数)です。

つまり、「顧客の訪問順」は制約条件ではなく、最適化によって決まるべき要素です。

③ 地点間の移動時間・移動距離・移動費用

  • 移動時間移動距離移動費用は、各ルートのコストや所要時間を計算するために必要なデータです。
  • これらをもとに「総移動距離が一定以下」「移動コストが予算内」などの制約を設定することもあります。

運搬経路問題のモデル化において、これらは不可欠なパラメータです。

④ 運搬車の最大積載量

  • すべての車両には「これ以上は積めない」という最大積載量があります。
  • 各ルートで集める(または配達する)商品の合計がこの上限を超えないようにするのが代表的な制約条件です。

この制約があることで、現実的な配送計画が立てられます。

⑤ 運搬車の最大稼働時間

  • 車両には「一日に稼働できる時間」などの上限があります。
  • 移動時間と作業時間の合計がこの上限を超えないようにすることも、よくある制約です。

この制約は、ドライバーの労働時間や車両の運用ルールを反映しています。

まとめ:問題の要点

  • 運搬経路問題では、顧客の位置・需要量・作業時間地点間の移動時間・距離・費用車両の最大積載量・最大稼働時間などが制約条件として用いられる。
  • 顧客の訪問順は、最適化によって決まる「解そのもの」であり、制約条件として設定するものではない。
  • 「顧客の訪問順」は制約条件として不適切であり、他の選択肢はすべて運搬経路問題の代表的な制約条件である。

感想

この手の問題は過去に1度しか出てないようですね。

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毎週いろんなものをネットで買っているので配送業の型にはホントお世話になっております。

このような最適化を行い、ルート設定しているのだなあ。

外から言う分にはおもしろそう!なのですが実際は相当大変なんだろうな。

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この記事を書いた人

技術士試験対策と経営工学の学びを発信するブログです。
私はもともと機械設計の仕事をしており、現在は経営工学の知識やスキルを習得中です。
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