平成24年度 経営工学部門 IV-22PR含む
問題
IV-22 運搬経路問題において、デポに待機する運搬車を用いて複数の顧客の需要を満たすために物を運搬し、再びデポに戻るとき、総移動距離を最小化する顧客訪問順を求める際の制約条件として、最も不適切なものはどれか。
① 運搬車の台数
② 運搬車の平均稼働率
③ 運搬車の最大積載量
④ 最早到着時刻
⑤ 顧客の需要量
解答
正解は 2 になります。
まず、運搬経路問題について簡単に説明し、その後、各選択肢を詳しく見ていきます。
運搬経路問題とは
運搬経路問題は、物流や配送サービスなどで頻繁に直面する問題です。簡単に言えば、「どのような順序で顧客を訪問すれば、最も効率よく配達できるか」を考える問題です。
例えば、ピザ屋さんが5軒の家に配達する場合、どの順番で配達すれば最も短い距離で全ての家に届けられるか、というようなことを考えるのです。
制約条件とは
制約条件とは、問題を解決する際に守らなければならないルールや限界のことです。運搬経路問題では、以下のような制約条件が考えられます。
各選択肢の解説
① 運搬車の台数
これは適切な制約条件です。使える車の数は限られているので、それを考慮に入れる必要があります。
② 運搬車の平均稼働率
これが最も不適切な制約条件です。稼働率は結果として出てくるものであり、経路を決める際の制約条件としては適切ではありません。
③ 運搬車の最大積載量
これも適切な制約条件です。車に積める荷物の量には限界があるので、それを超えないように計画を立てる必要があります。
④ 最早到着時刻
これも適切な制約条件です。例えば、お店が開く時間より前に到着しても意味がないので、そういった時間の制約を考慮する必要があります。
⑤ 顧客の需要量
これも適切な制約条件です。各顧客がどれだけの量を必要としているかを知らないと、適切な配送計画は立てられません。
なぜ②が不適切なのか
運搬車の平均稼働率は、経路が決まった後に計算される結果であり、経路を決める際の制約条件としては適していません。例えば、「車の稼働率を80%以上にしなければならない」というルールを最初から設定してしまうと、効率的な経路を見つけることが難しくなってしまいます。
まとめ
運搬経路問題では、車の台数、積載量、時間制約、顧客の需要量などが重要な制約条件となります。一方で、平均稼働率のような結果として出てくる値は、制約条件としては適切ではありません。
このように、問題を解決する際には、何が本当に必要な条件なのかを見極めることが大切です。
感想
ピザ屋で例えられるとまあわかりやすい。
実際の宅配サービスなどはもっと複雑にいろいろ制約入るのでしょうね。ホントご苦労様です。
ワタクシはこの問題、不正解でした・・・・。
ところで。
試験問題、句読点多くて読みづらいのもあるからでしょうか。
OCR君がまた面白いことを書いていました。
「デポに待機する運搬車」を「子供を持ち帰る運搬車」、と。
確かになんだか似ている・・・・。