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平成29年度 経営工学部門 Ⅲ-32

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目次

問題

Ⅲ-32 設備管理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

① 設備の高度化に伴う設備投資金額の巨大化は、経営を圧迫しかねないので、設備のライフサイクル全体を通じて投資金額をいかに抑えるかは重要なテーマである。

② 設備管理で扱う設備の対象には、土地や建物などの固定資産は含まれないから、いわゆる動産が設備管理の範囲である。

③ 製品仕様の変更に柔軟に対応できるよう設備をあらかじめ設計しておく必要がある。

④ 製品ライフサイクルの短命化により、投資資金を短期間で回収できる設備が望ましい。

⑤ 現在使用している設備性能と比べ、より高性能の設備が登場し、設備性能が旧式化したり陳腐化したりした場合の取替えを設備更新という。

解答

正解は 2 になります。

設備管理の概要と本問題の解説

設備管理は、工場や事業所などで使用される機械・装置などの設備を、安全かつ効率的に稼働させるための管理活動です。
設備の故障や劣化を防ぎ、安定した生産やサービス提供を実現することが目的です。
設備管理は、設備の導入から廃棄までのライフサイクル全体を通じて行われ、計画的な点検や保全、更新計画の策定などが含まれます。

本問題では、設備管理に関する基本的な知識から不適切な記述を選ぶ問題です。以下に各選択肢を詳細に解説します。

各選択肢の詳細解説

① 設備の高度化に伴う設備投資金額の巨大化は、経営を圧迫しかねないので、設備のライフサイクル全体を通じて投資金額をいかに抑えるかは重要なテーマである。

  • 設備の高度化により初期投資額は増大する傾向にありますが、経営資源の効率的な活用のためには、設備の導入から廃棄までのライフサイクル全体でコストを最適化することが重要です。
  • ライフサイクルコスト(LCC)管理は、設備投資における基本的な考え方であり、経営戦略上も重要なテーマです。
  • この記述は適切です。

② 設備管理で扱う設備の対象には、土地や建物などの固定資産は含まれないから、いわゆる動産が設備管理の範囲である。

  • 設備管理は、工場や施設における機械設備だけでなく、建物や土地などの固定資産も含む場合があります。
  • 固定資産管理は広義には設備管理の一部と考えられ、特に建物や構築物の保守管理は重要な管理対象です。
  • 「土地や建物は含まれない」という記述は誤りです。

③ 製品仕様の変更に柔軟に対応できるよう設備をあらかじめ設計しておく必要がある。

  • 製品の多様化や市場変化に対応するため、設備は柔軟性を持たせて設計されることが望ましいです。
  • 仕様変更に対応可能なモジュール設計や汎用性の高い設備設計は、設備管理の観点からも重要です。
  • この記述は適切です。

④ 製品ライフサイクルの短命化により、投資資金を短期間で回収できる設備が望ましい。

  • 製品のライフサイクルが短くなると、設備投資の回収期間も短縮する必要があります。
  • そのため、短期間で投資回収が可能な設備の導入が望ましく、経営リスクの軽減につながります。
  • この記述は適切です。

⑤ 現在使用している設備性能と比べ、より高性能の設備が登場し、設備性能が旧式化したり陳腐化したりした場合の取替えを設備更新という。

  • 設備更新は、技術進歩による旧式化や陳腐化に対応し、生産効率や品質向上のために設備を新しいものに取り替えることを指します。
  • この定義は正確であり、設備管理の重要な概念です。
  • この記述は適切です。

まとめ:問題の要点

  • 設備管理は、設備のライフサイクル全体を通じてコスト最適化や性能維持を図る重要な活動である。
  • 固定資産(建物や土地)も設備管理の範囲に含まれることが多く、「動産のみが対象」という記述は誤りである。
  • 製品仕様変更への柔軟対応や、製品ライフサイクルに応じた投資回収期間の設定、設備更新の理解は設備管理の基本である。
  • 最も不適切な記述は「② 設備管理で扱う設備の対象には、土地や建物などの固定資産は含まれない」という点である。

感想

設備管理もよく出ますねえ!!

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今日は正解でした。

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この問題を覚えていたからかもしれませんが、設備設計も本職ですからね!

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