平成30年度 経営工学部門 Ⅲ-18

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問題

Ⅲ-18 抜取検査に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。ただし、OCは、Operating Characteristicの略である。

① 抜取検査とは、対象とするグループからアイテムを抜き取って行う検査である。

② スクリーニング検査とは、発見された不適合のアイテム又は不適合部分のすべてを取り除く全数検査である。

③ 合否判定抜取方式とは、ロットの合否判定のために用いられるサンプルサイズ及び判定基準を組み合わせた計画である。

④ OC曲線とは、与えられた合否判定抜取方式について、検査の結果、期待される品質水準及びサンプリング比率の関係を示す曲線である。

⑤ OC曲線の傾きが垂直に近いほど、合否判定抜取方式の判別能力は高い。

解答

正解は 4 になります。

抜取検査の概要

抜取検査サンプリング検査)は、全ての製品や部品を検査するのではなく、ロット(まとまり)の中から一部だけを抜き取り、その品質を調べる方法です。
この手法は検査コストや時間を削減しつつ、全体の品質を管理したいときに使われます。
サンプリングによって合否判定を行い、不良品の流出リスクと検査効率の最適なバランスを目指します

抜取検査において重要なのは「どのくらいの数を抜き取るか(サンプルサイズ)」「合否をどう判定するか(判定基準)」などの計画設定と、検査方式の判別能力や運用上の特徴を理解することです。

各選択肢の詳細解説

① 抜取検査とは、対象とするグループからアイテムを抜き取って行う検査である。

これは正しい記述です。

  • 抜取検査は、その名のとおりロット全体から一部の商品や部品を「抜き取って」品質を調べる方法です。
  • 全数検査(すべて調べる方式)に比べて低コスト・短時間で実施が可能ですが、ロット全体の品質を代表するサンプリング設計が重要になります。

② スクリーニング検査とは、発見された不適合のアイテム又は不適合部分のすべてを取り除く全数検査である。

この記述も正しいです。

  • スクリーニング検査(スクリーニング・インスペクション)は全数検査の形態の一つで、すべてのアイテムを検査し、不良とわかったものを確実に除去します。
  • 特に品質に厳しい分野や、不良品が社会的に大きなトラブルとなる場合などで使われます。

③ 合否判定抜取方式とは、ロットの合否判定のために用いられるサンプルサイズ及び判定基準を組み合わせた計画である。

この記述も正しいです。

  • 合否判定抜取方式(acceptance sampling)は、サンプルサイズ(何個抜き取るか)と、合格・不合格とする不良数の判定基準(合格判定数、許容不良数)をあらかじめ設定し、その条件に従ってロットごとの合否を決めます。
  • 国際規格(ISO)やJISにも判定基準が細かく定義されています。

④ OC曲線とは、与えられた合否判定抜取方式について、検査の結果、期待される品質水準及びサンプリング比率の関係を示す曲線である。

この記述が最も不適切です。

  • OC曲線(Operating Characteristic curve)は、サンプリング検査において「ロットの真の不良率」に対して「ロットが合格する確率」がどのように変化するかを表したグラフです。
  • 「サンプリング比率(抜く割合)」ではなく、「品質水準(=不良率)」と「合格確率(=ロットの合格判定される確率)」の関係を示します。
  • つまり「品質水準 vs. サンプリング比率」を表すものではない点が不適切です。

⑤ OC曲線の傾きが垂直に近いほど、合否判定抜取方式の判別能力は高い。

これは正しい内容です。

  • OC曲線の傾きが急(垂直に近い)場合、合否判定の境界が明確であり、不良率が許容レベルをわずかに超えただけでもロットが即座に不合格となります。
  • 逆に傾きが緩い場合は不良率変化に対して合否判定が曖昧になり、判別能力が低いとされます。

【図表】OC曲線イメージ

不良率(Lot Quality)合格確率(Probability of Acceptance)
許容不良率を超える急激に低下
OC曲線垂直判別能力が高い

まとめ

  • 抜取検査はロットから一部を抜き取り、効率的に品質を評価する管理手法です。
  • スクリーニング検査は全数調査と不良除去を行う検査形態です。
  • OC曲線は「不良率と合格確率」の関係を示し、「サンプリング比率」とは関係しない点を理解することが必須。
  • OC曲線の「急峻さ=判別能力の高さ」もサンプリング検査計画設計では重要なポイント。
  • 抜取検査・合否判定方式・OC曲線・判別能力といった専門用語は本分野での基本キーワードです。

感想

抜取検査、今までもだいぶ出てきました。

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いやあ、数ありますねえ!

そのおかげか、本日は正解でした。

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このときにOC曲線つくるのでだいぶ苦労したからな・・・・。

継続は力なり、ってことで。

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この記事を書いた人

技術士試験対策と経営工学の学びを発信するブログです。
私はもともと機械設計の仕事をしており、現在は経営工学の知識やスキルを習得中です。
同じ道を進む方や、資格取得を目指す方のお役に立てる情報をお届けします。

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