令和元年度 経営工学部門 Ⅲ-24

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問題

【問題】
Ⅲ-24 以下に示すa~eの【条件】の下で,下表に示す設備投資案のうち,最も有利なものはどれか。

【条件】
a.設備投資案はどれか1つしか選択できない。
b.設備はレンタルにより借り,1年後には返却する。
c.設備の借入費用は年間1台当たり200万円である。
d.暫定的な利益は,売上収益から仕入原価,その他の経費を差し引いたもので,設備の借入費用だけは引かれていない。
e.期間は1年間とする。

【表】

設備台数暫定的な利益(万円)
A案1350
B案2650
C案3900
D案41,130
E案51,250

① A案  ② B案  ③ C案  ④ D案  ⑤ E案

解答

正解は 4 になります。

設備投資案の選択に関する詳細解説

設備投資の意思決定は、企業活動において極めて重要です。
本問では、設備をレンタルで導入し1年間のみ使用するケースについて、複数の投資案の中から最も利益が大きくなる案を選ぶ問題です。
ここでは、基礎から丁寧に考え方を解説し、各選択肢それぞれについても詳細に検討します。

設備投資案の基本的な考え方

設備投資を検討する際には、収益(売上等からコストを除いた金額)と投資コスト(今回はレンタル費用)を比較して、どの案が最も企業にとって「有利(利益が高い)」かを判断します。

本問の状況を図解すると以下のようになります。

設備台数暫定的な利益(万円)設備借入費用(万円)実際の利益(万円)
A案1350200150
B案2650400250
C案3900600300
D案41,130800330
E案51,2501,000250

※実際の利益は「暫定的な利益」から「設備借入費用」を差し引いたものです。

【ポイントの整理】

  • 暫定的な利益…設備借入費用を含まない、単純な事業上の粗利益。
  • 設備借入費用…1台あたり200万円×台数。
  • 実際の利益…暫定的な利益-設備借入費用。
  • 選択肢は1つのみ選べる(他の案との組み合わせ不可)。

各選択肢の詳細解説

A案

  • 設備台数: 1台
  • 暫定的な利益: 350万円
  • 設備借入費用: 200万円
  • 実際の利益: 350-200=150万円

1台のみ導入するため借入コストは低いですが、利益も最小です。より多くの設備を導入した場合にどれだけ利益が上積みされるかを次以降の案で確認する必要があります。


B案

  • 設備台数: 2台
  • 暫定的な利益: 650万円
  • 設備借入費用: 400万円(200万円×2)
  • 実際の利益: 650-400=250万円

A案と比べて設備台数は倍ですが、利益の伸びも大きく、実際の利益はA案の1.6倍以上となっています。


C案

  • 設備台数: 3台
  • 暫定的な利益: 900万円
  • 設備借入費用: 600万円(200万円×3)
  • 実際の利益: 900-600=300万円

台数が増えても利益の増加幅がやや縮小してきました。とはいえ実際の利益は先ほどよりアップしています。


D案

  • 設備台数: 4台
  • 暫定的な利益: 1130万円
  • 設備借入費用: 800万円(200万円×4)
  • 実際の利益: 1130-800=330万円

台数をもう1台増やすと、暫定的な利益の増加幅がさらに減少しています。それでも「実際の利益」は300万円→330万円に増加し、この時点で最大です。


E案

  • 設備台数: 5台
  • 暫定的な利益: 1250万円
  • 設備借入費用: 1,000万円(200万円×5)
  • 実際の利益: 1250-1000=250万円

最大台数ですが、暫定的な利益そのものの増加幅が少なくなり、結果的に実際の利益はB案と同程度まで低下してしまいます。

まとめ:最適な案の選択基準

本問のような設備投資案の選定では、「実際の利益(暫定的な利益から設備借入費用を差し引いたもの)」が最大となる案を選ぶことが原則です。本問のデータでは「D案(4台導入)」が最も利益を高める案となります。

重要ポイント

  • 収益(暫定的な利益)の増加ペースと、コスト(設備借入費用)の増加ペースの関係に注意!
  • 設備台数を増やしても、利益の増加が鈍くなったり逆転する場合がある。
  • 各案ごとに数字を計算して比較する(表やグラフが有効)。
  • 最終的に1つだけ選ぶ時は「実際に会社に残る利益が最大」の案を選ぶ。

感想

今日は正解でした。

暗算ですが、きちんと計算出来たので。

過去問で解き方はわかってましたからね。

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これも結構出てくる問題ですね。

油断せずに復習していかねば!

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この記事を書いた人

技術士試験対策と経営工学の学びを発信するブログです。
私はもともと機械設計の仕事をしており、現在は経営工学の知識やスキルを習得中です。
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