令和元年度(再) 経営工学部門 Ⅲ-15

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問題

Ⅲ-15 JIS Q9000:2015品質マネジメントシステムの基本及び用語に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

① 品質マネジメントの原則には、保証品質に対応する適正原価の考え方が含まれている。

② 品質マネジメントの主眼は、顧客の要求事項を満たすこと及び顧客の期待を超える努力をすることである。

③ 組織を効果的かつ効率的にマネジメントするためには、組織のすべての階層のすべての人々を尊重し、それらの人々の参加を促すことが重要である。

④ プロセスアプローチにおいては、活動を首尾一貫したシステムとして機能する相互に関連するプロセスであると解釈されている。

⑤ 主観的な評価や意見を取り除き、客観的な事実やデータの分析に基づいて意思決定することにより、その意思決定の客観性や信頼性を高めることができる。

解答

正解は 1 になります。

概要と重要ポイント

JIS Q 9000:2015は「品質マネジメントシステム(QMS)」の基本的な考え方や用語を整理・標準化した規格です。
組織がより高品質な製品やサービスを提供し、顧客満足を向上させるための指針が示されています。
中心となるのは「品質マネジメントの7原則」で、これに従うことで、組織全体のマネジメントが継続的に改善されていきます。

品質マネジメントの7原則:

  1. 顧客重視
  2. リーダーシップ
  3. 人々の積極的参加
  4. プロセスアプローチ
  5. 改善
  6. 客観的事実に基づく意思決定
  7. 関係性管理

この問題は、JIS Q 9000:2015における品質マネジメントの原則や用語について、不適切な選択肢を見極めるものです。それぞれの選択肢について、関連する原則や用語の観点から詳しく解説します。


選択肢ごとの詳細解説

① 品質マネジメントの原則には、保証品質に対応する適正原価の考え方が含まれている。

解説:
品質マネジメントの原則(上記7原則)には、「適正原価」や「保証品質に対応する原価」というキーワードは含まれていません。
品質マネジメントにおいてコスト意識は大切ですが、原則自体はあくまで品質や組織マネジメント手法に焦点が当たっています。
「品質=コスト」という考えは古く、一方で現行のJIS Q 9000:2015では主に品質向上、顧客満足、継続的な改善を重視しています。
従って、この選択肢は根拠がなく、不適切です。

② 品質マネジメントの主眼は、顧客の要求事項を満たすこと及び顧客の期待を超える努力をすることである。

解説:
「顧客重視」は第一の原則であり、顧客の要求を満たすこと、期待を超えることが組織存続・成長の基盤とされています。
実際の規格文にも「顧客要求事項を満たし、その期待を超えるよう努めるべき」と記載されています。
したがって、この選択肢は適切な内容です。

③ 組織を効果的かつ効率的にマネジメントするためには、組織のすべての階層のすべての人々を尊重し、それらの人々の参加を促すことが重要である。

解説:
「人々の積極的参加」が第3原則です。
品質マネジメントはトップダウンだけでなく、現場含め組織全体の参画・コミュニケーションを重視します。
人材の尊重・活用はQMSの成功に欠かせない要素です。
よって、この選択肢の記述は正しいです。

④ プロセスアプローチにおいては、活動を首尾一貫したシステムとして機能する相互に関連するプロセスであると解釈されている。

解説:
「プロセスアプローチ」は第4原則で、「組織の目標達成のために相互に関連するプロセスのシステムとして組織の活動をマネジメントする」という考え方です。
個別の業務だけでなく、全体を一貫性あるプロセスと捉えることが強調されています。
本記述にも矛盾はなく、正しい内容です。

⑤ 主観的な評価や意見を取り除き、客観的な事実やデータの分析に基づいて意思決定することにより、その意思決定の客観性や信頼性を高めることができる。

解説:
「客観的事実に基づく意思決定」は第6原則です。
感覚や主観に頼るのではなく、客観的なデータ・ファクトに基づいて判断することが品質マネジメントの基本です。
これは組織全体で共有すべき重要な考え方といえます。


まとめと要点

今回の問題は、JIS Q 9000:2015が掲げる品質マネジメントの7原則について理解することが問われています。

  • 「品質マネジメントの原則」に適正原価保証品質といったコスト概念は含まれていません。
  • 顧客重視人々の積極的参加プロセスアプローチ客観的事実に基づく意思決定などは、QMSの7原則に明確に規定されています。
  • コストや適正原価は関連事項であっても、原則そのものには含まれないという点を押さえておくことが重要です。

これにより、技術士試験に向けて品質マネジメントシステムの本質を確実に習得しましょう。

感想

なんと4日連続で正解が「1」です。

これは試験中に悩ましいところですね。あれ?こんなに同じ番号が連続?という気になるので。

しかし今日の問題も解けました。

自信をもって解答すればうろたえることはない!はず・・・・。

品質マネジメントにコストの話、出てこないもんね。

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品質マネジメント、過去問でもそこそこ出てきます。

これは本格的に覚えておいて損はないですね。

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この記事を書いた人

技術士試験対策と経営工学の学びを発信するブログです。
私はもともと機械設計の仕事をしており、現在は経営工学の知識やスキルを習得中です。
同じ道を進む方や、資格取得を目指す方のお役に立てる情報をお届けします。

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