問題
Ⅲ-20 PDPC(Process Decision Program Chart)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
① この手法では、到達点から好ましい状況に到達するための段階へさかのぼり、結果から現状までの道筋を作成することでもPDPC図を作成することが可能である。
② この手法は、現状分析が不足した状態でも、信頼性が高いため有用である。
③ この手法では、始点から到達点に至る過程を図で示す。
④ この手法は、意思決定が困難な場合に、プロセスをできるだけ正しい方向に導く方法である。
⑤ この手法は、プロセスの過程で想定外の問題が発生したとき、できるだけ早く目標に向かって軌道修正するために有用である。

解答
正解は 2 になります。
PDPC(Process Decision Program Chart)とは
PDPC(プロセス決定プログラム図)は、業務プロセスや計画の実行段階で予期される問題やリスク、それに対する対策を事前に可視化し、柔軟かつ確実なプロジェクト推進を目指すための技法です。
例えば新規事業の立ち上げや製品開発プロジェクトなど、不確実な要素が多い現場で活用されることが多く、「もし~だったら」「~の場合は」など、分岐条件ごとに道筋を書き出し、想定外の事態に迅速に備える特徴があります。
各選択肢の詳細解説
① この手法では、到達点から好ましい状況に到達するための段階へさかのぼり、結果から現状までの道筋を作成することでもPDPC図を作成することが可能である。
PDPCは基本的には「始点(現状)」から「到達点(目標)」までのプロセスを工程ごとに分岐させながら、発生し得る問題やその対応策を書き出していきます。
しかし、逆に「ゴールから逆算」して、目標達成のために必要なプロセスやリスクをさかのぼって洗い出すことも現場では有効です。
このように、どちらのアプローチでもPDPC図は作成可能です。
② この手法は、現状分析が不足した状態でも、信頼性が高いため有用である。
これが最も不適切な記述です。
PDPCは十分な現状分析(プロジェクトや業務の状況把握)があってこそ有効に機能します。
現状分析が不十分なままPDPCを作成すると、「本当に想定しなければならない問題」を洗い出しきれなかったり、ズレたリスク対応策しか策定できないという欠点があります。
したがって、「現状分析が不足し信頼性が高い」という部分が誤りです。
③ この手法では、始点から到達点に至る過程を図で示す。
PDPC図は、「現状(スタート)」から「目標(ゴール)」に至る流れを具体的な工程として段階的に書き出し、各段階で起こりうる問題や障害を分岐図のようにイメージで表現します。
この過程の可視化こそがPDPCの狙いです。
そのため、この説明は正しい内容です。
④ この手法は、意思決定が困難な場合に、プロセスをできるだけ正しい方向に導く方法である。
PDPCは「何から着手すべきか」「どのタイミングでどの課題に対応すべきか」が複雑で判断に迷う場面で真価を発揮します。
あらかじめ選択肢ごとに道筋やリスクを見える化し、適切な判断材料を提示できる点からも、この記述は正しいといえます。
⑤ この手法は、プロセスの過程で想定外の問題が発生したとき、できるだけ早く目標に向かって軌道修正するために有用である。
PDPCでは、起こりうる問題やその対策を準備しておくため、実際にトラブルが発生した際には、事前に用意しておいた対応策を迅速に実行できます。
そのため、目標達成に向けた「早期リカバリー」を促す効果があります。
まとめ・要点整理
- PDPC(プロセス決定プログラム図) はプロセス途中のリスクや問題点を可視化し、対策を立てやすくするための図表手法です。
- 成功のポイントは、“十分な現状分析”をもとに“発生しうる問題”と“対応策”を事前に網羅すること。
- PDPC図は、「始点→到達点」の過程を工程ごとに分岐して洗い出すことも、「到達点→始点」に逆算して検討することも可能です。
- 最も不適切な選択肢は、「現状分析が不足した状態でも信頼性が高い」とする②。現状分析が不十分なPDPC図は、リスクの把握にも対応にも脆弱になるため注意が必要です。
感想
今日は正解でした!
まぐれ当たりに近いですが。


過去問にも出ています。
まぐれ当たりだとよろしくないのでしっかりと覚えよう。
解説も書いた事ですし!!