平成24年度 経営工学部門 IV-18PR含む

問題

IV-18 直交配列表を用いた実験計画に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

① 2水準系の直交配列表には、L8、L16、L32などがある。

② 8つの因子とその交互作用をすべて分析するとき、L8の直交配列表を用いるのが適切である。

③ 2水準系直交配列表に、3水準因子を割り付けることもできる。

④ 交互作用がある場合は、線点図を利用し交互作用の現れる列を把握する必要がある。

⑤ L27は、3水準系の直交配列表である。

解答

正解は 2 になります。

まず、「直交配列表」というのは、実験計画を効率的に行うための特別な表のことです。たくさんの要因(因子)を少ない実験回数で調べたいときに使います。

それでは、各選択肢を順番に見ていきましょう。

①「2水準系の直交配列表には、L8、L16、L32などがある。」
これは正しいです。2水準というのは、各因子に2つの選択肢(例:高い・低い)がある場合のことです。L8は8回、L16は16回、L32は32回の実験を行う表のことです。

②「8つの因子とその交互作用をすべて分析するとき、L8の直交配列表を用いるのが適切である。」
これが不適切な記述です。L8は8回の実験しかできません。8つの因子とその交互作用をすべて分析するには、もっとたくさんの実験が必要になります。L8では足りないのです。

③「2水準系直交配列表に、3水準因子を割り付けることもできる。」
これは正しいです。工夫すれば、2つの選択肢用の表に3つの選択肢がある因子を入れることもできます。

④「交互作用がある場合は、線点図を利用し交互作用の現れる列を把握する必要がある。」
これも正しいです。交互作用というのは、2つの因子が組み合わさったときに特別な効果が出ることです。線点図は、この交互作用がどの列に現れるかを図で表したものです。

⑤「L27は、3水準系の直交配列表である。」
これも正しいです。L27は、各因子に3つの選択肢がある場合の27回の実験を行う表のことです。

図解:

[2水準系直交配列表の例:L8]実験番号 | 因子A | 因子B | 因子C | 因子D | 因子E | 因子F | 因子G 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 2 | 1 | 1 | 1 | 2 | 2 | 2 | 2 3 | 1 | 2 | 2 | 1 | 1 | 2 | 2 4 | 1 | 2 | 2 | 2 | 2 | 1 | 1 5 | 2 | 1 | 2 | 1 | 2 | 1 | 2 6 | 2 | 1 | 2 | 2 | 1 | 2 | 1 7 | 2 | 2 | 1 | 1 | 2 | 2 | 1 8 | 2 | 2 | 1 | 2 | 1 | 1 | 2[線点図の例] 1 ---- 3 | | | | 2 ---- 4この図では、1と2、1と3、2と4、3と4の間に交互作用があることを示しています。

結論として、②が最も不適切な記述です。L8では8つの因子とその交互作用をすべて分析するには不十分だからです。他の選択肢はすべて正しい説明となっています。

いや、まったくつかめない・・・・。

L8とL16の直交配列表を図示してみます。

L8(2^7)直交配列表

実験番号ABCDEFG
11111111
21112222
31221122
41222211
52121212
62122121
72211221
82212112

L8は8回の実験で7つの2水準因子を調べることができます。

L16(2^15)直交配列表

実験番号ABCDEFGHJKLMNOP
1111111111111111
2111111122222222
3111222211112222
4111222222221111
5122112211221122
6122112222112211
7122221111222211
8122221122111122
9212121212121212
10212121221212121
11212212112122121
12212212121211212
13221122112211221
14221122121122112
15221211212212112
16221211221121221

L16は16回の実験で15の2水準因子を調べることができます。

L27(3^3)直交配列表

実験番号因子1因子2因子3
1111
2112
3113
4121
5122
6123
7131
8132
9133
10211
11212
12213
13221
14222
15223
16231
17232
18233
19311
20312
21313
22321
23322
24323
25331
26332
27333

これらの直交配列表を使用することで、少ない実験回数で多くの因子の主効果を効率的に調べることができます。

感想

わかったような、わからないような・・・・。

よし、試験ではこのへん捨てよう。

でも実務で出てきたら捨てるワケにはいかない・・・。

25年度以降の試験問題に出てきたらまた学びます・・・・。