問題
III-1 作業の標準化と作業管理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
① 作業とは、対象物の物的、情報的な特性について変化、観察、評価、処理などを人為的にする行為であり、原材料の加工、運搬、検査、監視、帳票処理などを指している。
② 作業の標準化とは、作業研究で最良の方法を標準作業とするとともに、平均的な熟練度の作業者が標準作業を行うときの作業時間を標準時間とすることである。
③ 標準作業と標準時間は、標準を守るための作業条件や機械設備などを定め、作業標準書として明文化する。
④ 標準作業の実施とは、標準作業を行うための作業条件を整備し、その作業を担当するすべての作業者に標準作業を標準時間で行うよう教育・訓練した後、作業者に標準作業で仕事を行わせることである。
⑤ 標準作業と標準時間は、これを適用する職場の計画と管理の基準であるから、その作業が実施される長期にわたり改変することがない、普遍的なものとして設定しなければならない。
解答
正解は 5 になります。
作業の標準化と作業管理の基本
まず、作業の標準化と作業管理について簡単に説明しましょう。これは、企業や組織が効率的に仕事を進めるための重要な概念です。
作業とは
選択肢①で説明されているように、作業とは人が何かを変える、観察する、評価する、処理するなどの行為のことです。例えば、工場で製品を作ったり、書類を処理したり、商品の品質をチェックしたりすることが含まれます。
作業の標準化
作業の標準化とは、仕事をする最も良い方法(標準作業)を決めて、その方法で仕事をするときにかかる時間(標準時間)を設定することです。これにより、誰が作業しても同じ品質と効率で仕事ができるようになります。
各選択肢の解説
①②③④ 正しい記述
これらの選択肢は、作業の標準化と作業管理に関して正しい説明をしています。
⑤ 不適切な記述(正解)
この選択肢が最も不適切です。なぜなら、標準作業と標準時間は長期間変えてはいけないと述べていますが、これは正しくありません。
なぜ⑤が不適切なのか
- 継続的改善の重要性:
企業は常に効率を上げ、品質を向上させる必要があります。そのためには、作業方法を定期的に見直し、改善することが大切です。 - 技術の進歩:
新しい機械や技術が開発されると、作業方法も変わる可能性があります。古い標準にこだわっていては、効率が落ちてしまいます。 - 環境の変化:
市場の要求や法律の変更など、外部環境の変化に応じて作業方法を調整する必要があります。 - 従業員の意見:
実際に作業を行う従業員からの提案を取り入れ、より良い方法を見つけることも重要です。
まとめ
作業の標準化は重要ですが、それは固定的なものではありません。常に見直し、改善していくことで、企業は競争力を維持し、成長することができます。この考え方は、日本の製造業で広く知られている「カイゼン」の精神にも通じています。
以下の図は、標準作業と改善のサイクルを示しています:
┌─────────────┐ │ 標準作業の │ │ 設定 │ └─────┬───────┘ │ ▼ ┌─────────────────┐ │ 標準作業の実施 │ └─────────┬───────┘ │ ▼ ┌─────────────┐ │ 問題点の発見 │ └─────┬───────┘ │ ▼ ┌─────────────┐ │ 改善案の │ │ 検討・実施 │ └─────────────┘
この図のように、標準作業は常に改善のサイクルの中にあり、定期的に見直されるべきものなのです。
感想
これはさすがに正解でした。
改善活動、大事ですからね。
常にアップデート出来る柔軟な工程でいきたいものですが、どうしても定型化・硬直化してしまいがちなのですよね〜。
今日の業務でもこのあたりを気にして良いアウトプットをだしていきますよ。