平成25年度 経営工学部門 Ⅲ-12PR含む

問題

III-12 人−機械分析に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

① 人−機械分析は、作業者と機械設備の同時稼働状態を、瞬間的に調査・分析する手法である。

② 人−機械分析では、連合作業を行う複数の人や機械を同時に組み合わせて解析するため、対象の作業や状態を同じ時間軸上に図示することがポイントである。

③ 人や機械の稼働率を向上させるためには、機械の休止中に行っている人の作業内容を分析し、内段取の時間短縮を図ることが有効である。

④ 複数の人が協同して機械を使って作業する場合、人−機械分析においては組作業の分析を行って、作業者間の作業分担や作業順序を再検討することが重要となる。

⑤ 人と機械が行う連合作業が繰り返し行われるとき、作業サイクルの標準時間は作業者の習熟効果を考慮して再検討する必要がある。

解答

正解は 1 になります。

人−機械分析とは?

人−機械分析は、人(作業者)と機械が一緒に働く作業を効率的にするための分析方法です。例えば、工場で機械を操作する作業者の動きと機械の動きを同時に観察し、無駄な待ち時間がないか、もっと効率よく作業できないかを調べます。

各選択肢の解説

① 人−機械分析は、作業者と機械設備の同時稼働状態を、瞬間的に調査・分析する手法である。

不適切な記述です。人−機械分析は、瞬間的な調査ではなく、一定の時間にわたって作業者と機械の動きを観察し、分析します。例えば、1時間の作業中、作業者と機械がどのように動いているかを時系列で記録し、分析します。

② 人−機械分析では、連合作業を行う複数の人や機械を同時に組み合わせて解析するため、対象の作業や状態を同じ時間軸上に図示することがポイントである。

正しい記述です。人−機械分析では、作業者と機械の動きを同じ時間軸上に図示することが重要です。これにより、作業者と機械の動きの関係や、待ち時間などが一目で分かるようになります。

例えば、以下のような図を作成します:

時間 → 0 5 10 15 20 25 30作業者 |準備|操作|待機|点検|操作|待機|機械 |停止|稼働|稼働|停止|稼働|稼働|

③ 人や機械の稼働率を向上させるためには、機械の休止中に行っている人の作業内容を分析し、内段取の時間短縮を図ることが有効である。

正しい記述です。「内段取」とは、機械が動いている間に行う準備作業のことです。機械が止まっている時間(外段取)を減らし、機械が動いている間に準備作業(内段取)をすることで、全体の作業時間を短縮できます。

④ 複数の人が協同して機械を使って作業する場合、人−機械分析においては組作業の分析を行って、作業者間の作業分担や作業順序を再検討することが重要となる。

正しい記述です。複数の作業者が関わる場合、それぞれの作業者の役割や作業順序を見直すことで、より効率的な作業方法を見つけることができます。

⑤ 人と機械が行う連合作業が繰り返し行われるとき、作業サイクルの標準時間は作業者の習熟効果を考慮して再検討する必要がある。

正しい記述です。「習熟効果」とは、同じ作業を繰り返すことで作業者の技術が向上し、作業時間が短くなる現象のことです。この効果を考慮して、作業の標準時間を適宜見直すことが大切です。

まとめ

人−機械分析は、人と機械の協調作業を効率化するための重要な手法です。作業の流れを時間軸上で視覚化し、無駄な待ち時間を減らしたり、作業の順序を最適化したりすることで、生産性を向上させることができます。また、作業者の習熟度の変化も考慮に入れ、継続的に改善を行うことが大切です。

感想

見事に筆禍リマ↓。

たしかに瞬間的、ではないですもんね。

人−機械分析、連合作業分析の中に含まれそうですね。

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