問題

III-21 散布図の活用に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

① 点の並び方の傾向等、相関関係の有無について調べる。

② 多くの点の集まりから特に飛び離れた異常と思われる外れ値がないかを確かめる。

③ 原料別、装置別、季節別、地域別等、層別の必要性を考える。

④ 散布図からの結果をそのまま信用することなく、2変数の関係に技術的考察を加える。

⑤ 傾向線を拡張して、測定範囲を越えた部分を推定する。

解答

正解は 5 になります。

散布図とは

散布図は、2つの変数の関係を視覚的に表現するためのグラフです。横軸と縦軸にそれぞれの変数をとり、データポイントを点で表します。

散布図の活用方法

①相関関係の確認

散布図を見ることで、2つの変数の間に関係があるかどうかを簡単に確認できます。点が右上がりに並んでいれば正の相関、右下がりなら負の相関があると判断できます。

②外れ値の発見

データの中に、他の多くのデータから大きく離れた点(外れ値)がないかを確認できます。外れ値は測定ミスや特殊な状況を示している可能性があるため、注意が必要です。

③層別の必要性の検討

データを原料、装置、季節、地域などで分類(層別)して散布図を作成すると、それぞれの層ごとの特徴や傾向の違いを見つけることができます。

④技術的考察の重要性

散布図から得られた結果だけでなく、その背景にある技術的な要因も考慮することが大切です。単純な相関関係だけでなく、因果関係も検討する必要があります。

不適切な活用方法

⑤測定範囲外への推定(不適切)

散布図の傾向線を測定範囲外に拡張して推定することは危険です。データが存在しない範囲では、関係性が変わる可能性があるため、このような推定は避けるべきです。

まとめ

散布図は経営工学において非常に有用なツールですが、その活用には注意が必要です。相関関係の確認、外れ値の発見、層別の検討、技術的考察の重要性を理解し、適切に活用することが大切です。一方で、測定範囲外への安易な推定は避けるべきであり、これが最も不適切な活用方法となります。

図表による解説

以下に、散布図の例と適切な活用方法を示します:

 Y | * | * * | * * | * * |* * +------------------X 正の相関がある散布図の例

この図では、XとYの間に正の相関関係があることがわかります。しかし、この関係が測定範囲外でも続くとは限らないため、範囲外への推定は避けるべきです。

感想

散布図、学生の時に企業インターンに行ったときにガッツリ書きました。

SPCCからステンレスに材料変更した場合のエア漏れ量、だったかと。

エクセルもない時代だったからまあ大変でした。

Lotus1-2-3はあったはずだけども使い方知らなかったし!

そんなこんなで、今日の問題は正解でした。

散布図の特徴、覚えておりました。