問題
Ⅲ-2 以下に示す、生産形態の区分の観点ア~オと生産形態a~eの組合せとして、最も適切なものはどれか。
【区分の観点】
ア. 生産と注文の時期
イ. 生産方式
ウ. 生産品種・生産量
エ. 加工品の流れ
オ. 生産指示の与え方
【生産形態】
a. 見込生産・受注生産
b. 多様少量生産・少種多量生産
c. プッシュ型・プル型
d. フロー型・ジョブショップ型
e. 個別生産・連続生産
① イ-e、エ-d
② ア-c、エ-e
③ ア-e、ウ-b
④ イ-e、オ-a
⑤ ア-a、ウ-d
解答
正解は 1 になります。
この問題は、生産管理における様々な生産形態とその区分の観点について理解を問うものです。まず生産管理の基本概念から説明し、その後各選択肢を詳しく解説していきます。
生産管理の基本概念
生産管理とは、企業が製品やサービスを効率的に生産するために行う一連の活動のことです。生産管理では、以下のような要素を考慮します:
- 生産計画の立案
- 生産スケジュールの作成
- 資源(人、材料、設備)の配分
- 品質管理
- コスト管理
これらの要素を適切に管理することで、企業は効率的な生産活動を行うことができます。
生産形態の区分
生産形態は、企業がどのように生産活動を行うかを表す分類方法です。問題で示された区分の観点と生産形態について、詳しく説明していきます。
ア. 生産と注文の時期
この観点は、製品の生産開始時期と顧客からの注文時期の関係を示します。
対応する生産形態:a. 見込生産・受注生産
- 見込生産:需要を予測して事前に生産する方式
- 受注生産:顧客からの注文を受けてから生産を開始する方式
イ. 生産方式
生産方式は、製品をどのように生産するかを表します。
対応する生産形態:e. 個別生産・連続生産
- 個別生産:一品一品を個別に生産する方式(例:造船、建築)
- 連続生産:同じ製品を連続的に生産する方式(例:自動車、家電製品)
ウ. 生産品種・生産量
この観点は、生産する製品の種類と量の関係を示します。
対応する生産形態:b. 多様少量生産・少種多量生産
- 多様少量生産:多くの種類の製品を少量ずつ生産する方式
- 少種多量生産:少ない種類の製品を大量に生産する方式
エ. 加工品の流れ
製品がどのように工程を移動していくかを表します。
対応する生産形態:d. フロー型・ジョブショップ型
- フロー型:製品が一定の順序で工程を移動する方式(例:自動車組立ライン)
- ジョブショップ型:製品ごとに異なる順序で工程を移動する方式(例:工作機械工場)
オ. 生産指示の与え方
生産活動をどのように制御するかを示します。
対応する生産形態:c. プッシュ型・プル型
- プッシュ型:計画に基づいて生産を進める方式
- プル型:後工程の需要に応じて生産を行う方式(例:トヨタ生産方式)
選択肢の解説
① イ-e、エ-d
- イ(生産方式)とe(個別生産・連続生産)の組み合わせは正しい
- エ(加工品の流れ)とd(フロー型・ジョブショップ型)の組み合わせも正しい
- この選択肢が最も適切
② ア-c、エ-e
- ア(生産と注文の時期)とc(プッシュ型・プル型)の組み合わせは不適切
- エ(加工品の流れ)とe(個別生産・連続生産)の組み合わせも不適切
③ ア-e、ウ-b
- ア(生産と注文の時期)とe(個別生産・連続生産)の組み合わせは不適切
- ウ(生産品種・生産量)とb(多様少量生産・少種多量生産)の組み合わせは正しい
④ イ-e、オ-a
- イ(生産方式)とe(個別生産・連続生産)の組み合わせは正しい
- オ(生産指示の与え方)とa(見込生産・受注生産)の組み合わせは不適切
⑤ ア-a、ウ-d
- ア(生産と注文の時期)とa(見込生産・受注生産)の組み合わせは正しい
- ウ(生産品種・生産量)とd(フロー型・ジョブショップ型)の組み合わせは不適切
結論
以上の解説から、選択肢①が最も適切であることがわかります。イ(生産方式)とe(個別生産・連続生産)、エ(加工品の流れ)とd(フロー型・ジョブショップ型)の組み合わせが正しいためです。
この問題を通じて、生産管理における様々な観点と生産形態の関係を理解することができます。これらの知識は、実際の生産現場での効率化や改善活動に役立ちます。
感想
ちょっと難しかったです。
知ってるつもりの用語ばかりのような気がするのですが、うまくいかず。
なるほど、解説で書いたようにそれぞれ当てはめていけば良さそうですね。
平成26年度 経営工学部門 Ⅲ-1
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