問題
III-16 品質管理において、特性の規定された公差を6σで除した値を表す用語として最も適切なものはどれか。
① 平滑化指数
② 不適合率
③ 工程能力指数
④ 規準化係数
⑤ 精確度
解答
正解は 3 になります。
問題の概要解説
今回の問題は、品質管理における「特性の規定された公差を6σで除した値を表す用語」を問うものです。この問題は、品質管理において重要な概念である「工程能力指数」に関連しています。まず、品質管理の基本的な考え方と用語を簡単に説明しましょう。
品質管理とは?
品質管理とは、製品やサービスが顧客の要求を満たすように、その品質を計画・管理・改善する活動です。具体的には、不良品を減らし、安定した製品を作るために、統計的手法や工程管理が用いられます。
公差と標準偏差
- 公差: 製品の寸法や性能が許容される範囲(例: 100±0.5mmなど)。
- 標準偏差(σ): データのばらつきを示す指標で、平均値からどれくらい離れているかを表します。
工程能力指数(Cp)
工程能力指数は、公差幅と製造工程のばらつき(6σ)の比率を表す指標です。この値が大きいほど、製品が規格内に収まる可能性が高くなります。Cpは以下の式で計算されます:
$$
Cp = \frac{\text{規格幅}}{6\sigma}
$$
例えば、公差幅が0.6mmで標準偏差が0.1mmの場合、Cpは次のようになります:
$$
Cp = \frac{0.6}{6 \times 0.1} = 1
$$
このCp値を基に工程の安定性や不良率を評価します。
各選択肢の解説
ここでは選択肢ごとに詳しく解説します。
① 平滑化指数
平滑化指数は、時系列データの変動を滑らかにするために使われる統計的手法(例: 移動平均法)であり、品質管理では主に予測やトレンド分析に使用されます。この問題で求められる「公差と6σの比率」とは無関係です。
② 不適合率
不適合率は、不良品や規格外品が全体に占める割合を指します。例えば、100個中5個が不良品なら、不適合率は5%です。しかし、この用語も「特性の規定された公差を6σで除した値」とは異なる概念です。
③ 工程能力指数(正解)
工程能力指数(Cp)は、公差幅とばらつき(6σ)の比率を示す指標であり、この問題で求められている用語そのものです。Cp値が高いほど、工程が安定しており、不良品が少ないことを意味します。
④ 規準化係数
規準化係数はデータを標準化するために使われる統計的手法であり、品質管理ではデータ比較などに使用されます。しかし、「公差と6σの比率」を表すものではありません。
⑤ 精確度
精確度は測定結果がどれだけ真の値に近いかを示す指標です。これは測定機器やプロセスの性能評価には重要ですが、この問題とは直接関係ありません。
まとめ
この問題では、「特性の規定された公差を6σで除した値」を問うており、正解は③ 工程能力指数です。この指標は品質管理において非常に重要な役割を果たし、工程がどれだけ安定しているか、不良品がどれだけ発生しづらいかを評価するために使われます。
問題の要点
- 公差: 許容される寸法や性能範囲。
- 標準偏差(σ): データのばらつきを示す指標。
- 工程能力指数(Cp): 公差幅とばらつき(6σ)の比率。
感想
さすがにこれは知ってた!
開発設計では必須ですもんね。
過去問ではこのあたりかと。
しかし今日のAI画像、なんかシュールだなあ・・・・。