問題
ある投資案では、1年目の期末に\(A_1\)万円、2年目の期末に\(A_2\)万円の収益が得られる。この収益を年利\(i×100(%)\)の計算利率により2年目の終値で評価するとき、最も適切なのはどれか。
① \(A_1×(1+i)+A_2×(1+i)^2\)
② \(A_1×(1+i)^2+A_2×(1+i)\)
③ \(A_1×(1+i)+A_2\)
④ \(A_1+A_2×(1+i)\)
⑤ \(A_1÷(1+i)+A_2\)
解答
正解は 3 になります。
この問題は、投資の現在価値と将来価値に関する経営工学の基本的な概念を扱っています。
投資の評価とは
投資を評価する際、異なる時点で発生する収益を比較可能にするために、ある特定の時点の価値に換算します。この問題では、2年目の終値(つまり2年後)での評価を求めています。
時間の価値
お金には「時間の価値」があります。つまり、今日の1万円と1年後の1万円は同じ価値ではありません。なぜなら、今日の1万円を投資すれば、1年後にはそれ以上の金額になる可能性があるからです。
計算利率の役割
計算利率(この問題では年利\(i×100(%)\))は、お金の時間的価値を計算するために使用します。例えば、年利10%(\(i=0.1\))の場合、1万円は1年後に1.1万円になります。
正解の解説
正解は③ \(A_1×(1+i)+A_2\) です。この式が正しい理由を説明しましょう。
- 1年目の収益(\(A_1\)):
- これは1年後に得られる収益です。
- 2年目の終値で評価するには、さらに1年分の利息を加える必要があります。
- したがって、\(A_1×(1+i)\) となります。
- 2年目の収益(\(A_2\)):
- これはすでに2年目の終値なので、そのままの値を使用します。
- 両者を合計:
- \(A_1×(1+i)+A_2\) が2年目の終値での総評価額となります。
図解
以下の図で時間軸に沿って収益の流れを示します:
現在 1年後 2年後(評価時点)| | || A₁ A₂| | || ↓ || A₁(1+i) || | |+---------+--------------+ ↓ ↓ A₁(1+i) A₂ + = A₁(1+i) + A₂
他の選択肢が不適切な理由
① \(A_1×(1+i)+A_2×(1+i)^2\):2年目の収益に2年分の利息を加えてしまっています。
② \(A_1×(1+i)^2+A_2×(1+i)\):1年目の収益に2年分、2年目の収益に1年分の利息を加えており、逆になっています。
④ \(A_1+A_2×(1+i)\):1年目の収益に利息を加えていません。
⑤ \(A_1÷(1+i)+A_2\):1年目の収益を割り引いてしまっており、逆の操作をしています。
この問題を通じて、投資評価において時間の価値を考慮することの重要性が理解できます。経営工学では、このような考え方を基に、より複雑な投資判断や財務分析を行います。
感想
これはなんとなくわかる、のですがいきなり問われたらわかんないな。
しっかり見返して、把握しておこう。