問題

環境マネジメントシステム(JIS Q 14001及びISO 14001)における環境側面に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

① 環境側面には、組織が管理できる環境側面と、組織が影響を及ぼすことができる環境側面がある。

② 環境側面を特定する際には、計画されたもしくは変更された活動、製品及びサービスも考慮に入れる。

③ 組織は環境に著しい影響を与える又は与える可能性のある側面を決定する。

④ 環境側面を特定するアプローチ例として、大気への放出、水への排出、土地への排出、エネルギーの使用、大きさ・形・色・外観等の物理的特性などがある。

⑤ 組織が管理できる側面として、廃棄物管理や製品の流通、使用、及び使用後の処理も含まれる。

解答

正解は 5 になります。

環境マネジメントシステム(EMS)とは

環境マネジメントシステム(EMS)は、企業や組織が環境に配慮した活動を行うための仕組みです。JIS Q 14001ISO 14001は、このEMSの国際的な基準を定めたものです。

環境側面とは

環境側面とは、企業や組織の活動、製品、サービスが環境に与える影響のことです。例えば、工場からの排水や、製品の使用時のエネルギー消費などが環境側面に該当します。

各選択肢の解説

① 環境側面の管理と影響

この記述は正しいです。組織が直接管理できる側面(例:工場の排水)と、間接的に影響を与えられる側面(例:取引先の環境対策)があります。

② 計画や変更の考慮

この記述も正しいです。現在の活動だけでなく、将来の計画や変更も環境側面の特定に含める必要があります[2]。

③ 著しい環境影響の決定

この記述も適切です。組織は、特に重要な(著しい)環境影響を与える側面を特定する必要があります。

④ 環境側面の特定アプローチ

この記述も正しいです。環境側面を特定する際には、様々な観点(大気、水、土地への影響、エネルギー使用、製品の特性など)を考慮します。

⑤ 組織が管理できる側面の範囲

この記述が最も不適切です。廃棄物管理は確かに組織が管理できる側面ですが、製品の流通、使用、使用後の処理は必ずしも組織が直接管理できるとは限りません。これらは「組織が影響を及ぼすことができる側面」に該当する場合が多いです。

まとめ

環境マネジメントシステムにおける環境側面は、組織の活動が環境に与える影響を包括的に捉える概念です。直接管理できるものと間接的に影響を与えられるものがあり、現在の活動だけでなく将来の計画も考慮に入れます。また、特に重要な影響を与える側面を特定することが求められます。

環境側面を理解することは、組織が環境に配慮した活動を行う上で非常に重要です。日常生活で使う製品やサービスが環境にどのような影響を与えているか考えてみると、環境マネジメントシステムの考え方を理解する助けになるでしょう。

感想

たまたまEMSを調べる機会があり。

そこから日が浅かったので正解することができました。

企業サイドに立つと製品の流通、使用、使用後の処理、となるといつまでたってもたいへんですもんね。

一般消費者としてもそこまで見てよ!とも強く言えませんし。

そういえば昔は廃車が至る所に積み上げられていましたが。

最近あんまり見ないような?

自動車メーカーや解体業者による施策がうまくいっているのか。

はたまた廃車の数が減っているのか。

さてどうなのでしょうね。

さて、やっと平成23年の問題が終わりました。

まだまだ先は長いですが、しっかりと問題解いていきますよ!