平成24年度 経営工学部門 IV-9PR含む
問題
IV-9 生産方式に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
① モジュール生産方式は、多種類のの部品をその形状、寸法、素材、工程などの類似性に基づいて標準化し、システムの柔軟性を確保しつつ、類似性に注目して生産性の向上をねらった生産方式である。
② 装置を用いて原材料に化学的・物理的な処理を加えて製品を作る生産方式をプロセス生産という。
③ オーダエントリー方式とは、生産工程にある製品に顧客のオーダを引き当て、製品の仕様の選択又は変更する生産方式である。
④ 製番管理方式とは、製造命令書を発行するときに、その製品に関するすべての加工と組立の指示書を準備し、同一の製造番号をそれぞれにつけて管理を行う方式である。
⑤ 生産座席予約方式とは、受注時に、製造設備の使用日程・資材の使用予定などにオーダーを割り付け、顧客が要求する納期どおりに生産する方式である。
解答
正解は 1 になります。
この問題は、様々な生産方式について理解を問うものです。分かりやすく解説していきましょう。
生産方式の基本
生産方式とは、製品を作る際の方法や仕組みのことです。企業は効率的に製品を作るために、様々な生産方式を採用しています。
各選択肢の解説
①モジュール生産方式(不適切)
モジュール生産方式の説明は、実際とは異なります。正しくは以下のようになります:
モジュール生産方式は、製品を機能ごとの部品(モジュール)に分け、それらを組み合わせて多様な製品を効率的に生産する方式です。この方式により、製品の多様化と生産効率の向上を同時に実現できます。
例:自動車のシートやエアコンユニットなど
②プロセス生産
この説明は正確です。プロセス生産は、原材料を化学的・物理的に処理して製品を作る方式です。
例:石油精製、製鉄、食品加工など
③オーダエントリー方式
この説明も正確です。顧客の注文(オーダー)に応じて、生産中の製品の仕様を変更できる柔軟な生産方式です。
例:自動車の色やオプションの選択
④製番管理方式
この説明は正確です。大型の製品や受注生産品で使われる方式で、製品ごとに固有の番号を付けて管理します。
例:造船、航空機製造など
⑤生産座席予約方式
この説明も正確です。顧客の注文を受けた時点で、生産設備の使用スケジュールを決定し、納期通りに生産する方式です。
例:家具の受注生産など
まとめ
以上の解説から、①のモジュール生産方式の説明が不適切であることがわかります。他の選択肢はすべて正しい説明となっています。
補足:生産方式の比較表
生産方式 | 特徴 | 適用例 |
---|---|---|
モジュール生産 | 機能別部品の組み合わせ | 電子機器、自動車 |
プロセス生産 | 連続的な化学・物理処理 | 石油精製、食品加工 |
オーダエントリー | 生産中の仕様変更可能 | カスタマイズ可能な製品 |
製番管理 | 製品ごとの個別管理 | 大型機械、航空機 |
生産座席予約 | 注文時に生産スケジュール決定 | 受注生産の家具 |
この表を見ると、各生産方式の特徴と適用例が一目で分かります。企業は製品の特性や市場の要求に応じて、適切な生産方式を選択しています。
感想
ふむ~。
一応正解はしたものの、生産座席予約方式って初耳だったなあ。
それにしてもOCRくん。
「オーダーを割り付け」を「ネーターを取り付け」ってどういうことですか。
こういうのをそのまま出さないようにしないとね・・・・・。