平成24年度 経営工学部門 IV-10PR含む
問題
IV-10 レイアウトに関する記述として、最も不適切なものはどれか。
① レイアウト計画の基礎とするために、需要予測や市場調査などをもとにして、生産の対象となっている製品の種類\(P\)を横軸に、品質基準\(Q\)を横軸にとり、P-Qチャートを作成する手法は、P-Q分析と呼ばれている。
② 体系的レイアウト計画法(SLP)におけるレイアウト・プロジェクトは、立地選定、基本レイアウト、詳細レイアウト、設置の4段階を経て完了する。
③ 相互関係図表(activity relationship chart)は、機能、区域、機械などのアクティビティ間の近接性に関する相互関係を表す交差型の図表である。
④ レイアウト計画では、物品工程分析の応用型として、工場配置図上に示した流れ線図、工程間の物の流量をどこから(from)、どこへ(to)の形式で分析するフロムツウチャートなどが利用される。
⑤ レイアウト案を決定するためには、種々の代替案を作成し、好ましくない点を比較して欠点を取り除いたり、目的に対する達成度、特定項目に関する価値評価、コスト比較などによって代替案を総合的に評価する。
解答
正解は 1 になります。
この問題は、工場や施設のレイアウト計画に関する知識を問うものです。
レイアウト計画の基本
レイアウト計画とは、工場や施設内の機械、設備、作業場所などを効率的に配置する計画のことです。適切なレイアウトは生産性向上や作業効率の改善につながります。
各選択肢の解説
①P-Q分析(不適切)
この説明には誤りがあります。正しくは以下のようになります:
P-Q分析では、製品の種類\(P\)を横軸に、生産量\(Q\)を縦軸にとってチャートを作成します。品質基準ではなく、生産量を縦軸にとることが重要です。
P-Q分析の目的:
- 製品の種類と生産量の関係を視覚化
- 生産方式の選択や設備計画の基礎資料として活用
②体系的レイアウト計画法(SLP)
この説明は正確です。SLPは以下の4段階で進められます:
- 立地選定
- 基本レイアウト
- 詳細レイアウト
- 設置
これにより、効率的かつ体系的にレイアウト計画を進めることができます。
③相互関係図表
この説明も正確です。相互関係図表は、各部門や設備間の関係性を視覚的に表現するツールです。
特徴:
- 交差型の図表を使用
- 近接性や関連性を記号や数字で表現
- レイアウト決定の重要な基礎資料となる
④レイアウト計画での分析ツール
この説明は正確です。以下のツールが使用されます:
- 流れ線図:工場配置図上に物の流れを線で表現
- フロムツウチャート:部門間の物の移動量を表形式で分析
これらのツールにより、物の流れを視覚化し、効率的なレイアウトを検討できます。
⑤レイアウト案の決定プロセス
この説明も正確です。レイアウト案を決定する際には:
- 複数の代替案を作成
- 各案の長所・短所を比較
- 目的達成度、価値評価、コスト比較などで総合評価
- 最適な案を選択
このプロセスにより、最も効果的なレイアウトを選択することができます。
まとめ
以上の解説から、①のP-Q分析の説明が不適切であることがわかります。他の選択肢はすべて正しい説明となっています。
補足:レイアウト計画のツール比較表
ツール名 | 目的 | 特徴 |
---|---|---|
P-Q分析 | 製品種類と生産量の関係把握 | 横軸:製品種類、縦軸:生産量 |
相互関係図表 | 部門間の関係性の視覚化 | 交差型図表、記号や数字で関係性表現 |
流れ線図 | 物の流れの視覚化 | 工場配置図上に線で流れを表現 |
フロムツウチャート | 部門間の物の移動量分析 | 表形式で From-To の移動量を記録 |
この表を見ると、各ツールの目的と特徴が一目で分かります。レイアウト計画では、これらのツールを組み合わせて使用することで、より効果的な分析と計画が可能になります。
感想
工場のレイアウト設計、やってましたよ!
降りてきた仕様の裏にはこのような検討がなされていたんですねえ。
今思えばああ、なるほどって思う節がいくつかあります。
が、残念ながら今日は不正解でした・・・・。