問題
IV-15 シューハート管理図に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
① 対象とする工程が管理状態にあるにもかかわらず、点が偶然に管理限界外に落ちるときによる誤りを、第2種の誤り(ぼんやりものの誤り)と呼ぶ。
② 群の大きさにかかわらず、R管理図に下方管理限界線はない。
③ シューハート管理図の管理限界線は、中心線から両側へ3σの位置に引く。
④ c管理図、np管理図は、計量値データを対象とした管理図である。
⑤ 計量値管理図には、標準値が与えられている場合と、標準値が与えられていない場合の2つの状態を想定した管理図が用意されているが、計数値管理図には、標準値が与えられていない場合の管理図しか用意されていない。
解答
正解は 3 になります。
まず、シューハート管理図とは何かから説明しましょう。
シューハート管理図とは
シューハート管理図は、製造プロセスの品質を管理するためのグラフツールです。時間とともに測定された値をプロットし、プロセスが安定しているかどうかを判断するのに使います。
さて、問題の選択肢を1つずつ見ていきましょう。
① この説明は誤りです。これは第1種の誤りの説明です。第2種の誤りは、工程に異常があるのに見逃してしまう誤りのことです。
② この説明も誤りです。R管理図(範囲を示す管理図)にも下方管理限界線があります。
③ この説明が正解です!シューハート管理図では、中心線から上下に3σ(シグマ)の位置に管理限界線を引きます。これは、データの99.73%がこの範囲に入ることを意味します。
④ この説明は誤りです。c管理図とnp管理図は計数値データ(数えられるデータ)を対象とした管理図です。
⑤ この説明も誤りです。計数値管理図にも標準値が与えられている場合の管理図があります。
以下に、シューハート管理図の簡単な図を示します:
UCL (上方管理限界線) ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー * * * * * CL (中心線) ー ー ー * ー ー ー * ー ー ー ー ー ー * * * * * LCL (下方管理限界線) ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー 時間 →
この図では、中心線(CL)を中心に、上方管理限界線(UCL)と下方管理限界線(LCL)が引かれています。これらの線は、それぞれCLから3σ離れた位置にあります。点がこの範囲内にあれば、プロセスは管理状態にあると判断します。
シューハート管理図は、製造プロセスの品質管理に非常に重要なツールです。これを使うことで、プロセスの異常を早期に発見し、品質の安定化を図ることができます。
感想
シューハート管理図、初耳でした・・・。
さらにどんなのがあるか調べてみると
計量値管理図
- X-R管理図 (X-bar R管理図)
- X管理図:群の平均値をプロット
- R管理図:群の範囲をプロット
- X-s管理図
- X管理図:群の平均値をプロット
- s管理図:群の標準偏差をプロット
- 個別値-移動範囲管理図 (I-MR管理図)
- メディアン-R管理図
計数値管理図
- p管理図 (不適合率管理図)
- np管理図 (不適合個数管理図)
- c管理図 (欠点数管理図)
- u管理図 (単位当たり欠点数管理図)
これらの管理図は、データの種類や目的に応じて使い分けます:
- 計量値管理図は長さ、重さ、時間などの連続的な測定値を扱います。
- 計数値管理図は不良品数や欠陥数などの離散的な値を扱います。
- X-R管理図は最も一般的で、工程の平均とばらつきを同時に管理できます。
- サンプルサイズが大きい場合はX-s管理図が適しています。
- 個別値しか得られない場合はI-MR管理図を使用します。
工程の特性や管理の目的に合わせて、適切な種類の管理図を選択することが重要。
なんだそうです。
これ、覚えきれるかなあ・・・・。