問題
IV-28 経済性工学に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
① 2つの案を比較する場合に、案の有利さが逆転する点を損益分岐点と呼ぶ。
② 生産能力に対して需要が十分にない場合を、手余り状態と呼ぶ。
③ 過去に支出された投資額のうち、その後の意思決定によって回収できなくなった部分を埋没費用と呼ぶ。
④ 複数の案の中から1つの案しか選択できない状況を、排反案からの選択と呼ぶ。
⑤ 比較の原則の1つに、何と何を比較するのかという比較の対象を明確にすることがあげられる
解答
正解は 1 になります。
経経済性工学の基本概念を説明し、その後各選択肢を詳しく見ていきましょう。
経済性工学の基本概念
経済性工学とは、企業や組織が行う投資や事業の経済的な評価を行うための学問です。主に、複数の選択肢がある場合にどの選択肢が最も経済的に有利かを判断するための手法を扱います。
各選択肢の解説
① 2つの案を比較する場合に、案の有利さが逆転する点を損益分岐点と呼ぶ。
- この説明は不適切です。損益分岐点は、収益と費用が等しくなる点、つまり利益がゼロになる点を指します。
- 2つの案の有利さが逆転する点は、正しくは「無差別点」や「等価点」と呼ばれます。
② 生産能力に対して需要が十分にない場合を、手余り状態と呼ぶ。
- 正しい説明です。生産設備や人員が需要に対して過剰な状態を指します。
③ 過去に支出された投資額のうち、その後の意思決定によって回収できなくなった部分を埋没費用と呼ぶ。
- 正しい説明です。埋没費用は、すでに発生した取り返しのつかない費用のことを指します。
④ 複数の案の中から1つの案しか選択できない状況を、排反案からの選択と呼ぶ。
- 正しい説明です。排反案とは、互いに両立しない選択肢のことを指します。
⑤ 比較の原則の1つに、何と何を比較するのかという比較の対象を明確にすることがあげられる。
- 正しい説明です。経済性比較を行う際には、比較対象を明確にすることが重要です。
結論
最も不適切なものは①です。損益分岐点の定義が誤っています。
補足:経済性工学の主要概念
経済性工学│├── 投資評価手法│ ├── 正味現在価値法(NPV)│ ├── 内部収益率法(IRR)│ └── 回収期間法│├── 比較分析│ ├── 無差別点分析│ └── 感度分析│└── コスト分析 ├── 固定費と変動費 ├── 埋没費用 └── 機会費用
この図は、経済性工学で扱う主要な概念を示しています。投資評価手法、比較分析、コスト分析などが含まれています。
以上の説明で、経済性工学の基本的な概念と問題の解答が理解できたと思います。経済性工学は、ビジネスにおける意思決定を支援する重要な分野です。
感想
今日は正解でした。
補足で書いた概念が大事そう。
これは覚えるようにしなくては。
今日のOCRもすごかった・・・・。
2つの案を比較する場合に、案の有利さが逆転する点を損益分岐点と呼ぶ
↓
2つの案を比較する場合に、どちらか一方の案が他方よりも常に有利な場合を優越案と呼ぶ。
複数の案の中から1つの案しか選択できない状況を、排反案からの選択と呼ぶ
↓
ある意思決定における1つの案をしか選択できない状況を、排反案からの選択肢と呼ばれる
なかなか強烈。
意味が通ったような感じになるので見落とさないように注意なのです。