問題
IV-31 保全方式に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
① 緊急保全は、突発的な故障停止が発生した場合に直ちに修理に着工する保全形態であり、事後保全の1つである。
② 保全予防には、設備が故障しないように劣化を防ぐ活動と、劣化を早期に復元する活動がある。
③ 改良保全とは、既存設備の設計上の弱点を計画的、積極的に改善して劣化、故障を減らす活動である。
④ 保全活動は、技術的性能を維持するための維持活動と、性能に劣化が見られたときにそれを修復・改善する改善活動に大別される。
⑤ 日常保全は、設備の性能劣化を防止する機能を担った活動であり、予防保全の1つに位置付けられる。
解答
正解は 2 になります。
まず、保全方式について基本的な概念を説明し、その後各選択肢を詳しく見ていきましょう。
保全方式の基本概念
保全方式とは、設備や機械を適切に管理し、長く効率的に使用するための方法のことです。主に以下のような種類があります:
- 事後保全:故障が起きてから対応する方式
- 予防保全:故障を未然に防ぐ方式
- 改良保全:設備を改善して故障を減らす方式
各選択肢の解説
① 緊急保全は、突発的な故障停止が発生した場合に直ちに修理に着工する保全形態であり、事後保全の1つである。
- 正しい説明です。緊急保全は故障が起きてから対応するので、事後保全の一種です。
② 保全予防には、設備が故障しないように劣化を防ぐ活動と、劣化を早期に復元する活動がある。
- この説明は不適切です。「保全予防」ではなく「予防保全」が正しい用語です。予防保全には確かに劣化を防ぐ活動と早期に復元する活動がありますが、用語の誤りがあります。
③ 改良保全とは、既存設備の設計上の弱点を計画的、積極的に改善して劣化、故障を減らす活動である。
- 正しい説明です。改良保全は設備を改善することで故障を減らす方式です。
④ 保全活動は、技術的性能を維持するための維持活動と、性能に劣化が見られたときにそれを修復・改善する改善活動に大別される。
- 正しい説明です。保全活動には維持と改善の二つの側面があります。
⑤ 日常保全は、設備の性能劣化を防止する機能を担った活動であり、予防保全の1つに位置付けられる。
- 正しい説明です。日常保全は予防保全の一種で、日々の点検や簡単なメンテナンスを通じて設備の劣化を防ぎます。
結論
最も不適切なものは②です。「保全予防」という誤った用語を使用しているためです。正しくは「予防保全」です。
補足:保全方式の図解
保全方式│├── 事後保全│ └── 緊急保全│├── 予防保全│ ├── 定期保全│ └── 日常保全│└── 改良保全
この図は、主な保全方式の関係を示しています。事後保全、予防保全、改良保全が主要な方式で、緊急保全は事後保全の一種、日常保全は予防保全の一種であることがわかります。
以上の説明で、保全方式の基本的な概念と問題の解答が理解できたと思います。
感想
はい、本日も誤回答になっちゃいました・・・・。
保全活動、いろんな種類があってちゃんと用語が決まっているのですね。
「設備保全」とざっくりとした用語で毎日生活しておりました。
今日からは会話の中で「保全」が出てきたら保全方式はどれなのか、意識して生きていきたいと思います。