問題
III – 4 次のうち、作業標準の表現方法として最も不適切なものはどれか。
① 文章や図表による方式
② 写真やコンピュータを用いた静止画による方式
③ VTRやコンピュータを用いた動画による方式
④ 製品や部品の現物による方式
⑤ 指導者の実演による方式
解答
正解は 5 になります。
作業標準の表現方法に関する解説
作業標準とは、製造業やサービス業などで、作業者が一定の品質や効率で仕事を行うために必要な手順やルールを明確化したものです。これにより、作業のばらつきを減らし、効率的な運営や高品質な成果物を実現します。
各選択肢の詳細解説
① 文章や図表による方式
文章や図表は、作業標準を伝える際に最も一般的な方法です。例えば、マニュアルや手順書には文章と図表が組み合わされていることが多いです。
メリット:
- 詳細な情報を正確に伝えられる。
- 作業手順を段階的に説明できる。
- 記録として残しやすい。
デメリット:
- 読解力が必要で、特に初心者には理解しづらい場合がある。
- 動きのある作業には不向き。
この方式は非常に適切であり、不適切とは言えません。
② 写真やコンピュータを用いた静止画による方式
写真や静止画は、視覚的に情報を伝えるために非常に効果的です。例えば、部品の組み立て方や機械操作手順などを写真で示すことで、文章だけでは伝わりにくい情報を補足できます。
メリット:
- 視覚的で直感的な理解が可能。
- 作業者が短時間で内容を把握できる。
デメリット:
- 動きやプロセス全体を伝えるには不十分。
- 静止画だけでは補完が必要な場合もある。
この方式も適切です。
③ VTRやコンピュータを用いた動画による方式
動画は動きや手順をリアルタイムで示すことができるため、特に動作が重要な作業標準には効果的です。例えば、溶接技術の手順や複雑な機械操作などには動画が有効です。
メリット:
- 実際の動きをそのまま見せることができるため、理解しやすい。
- 細かいニュアンスまで伝えられる。
デメリット:
- 再生環境(モニターやPC)が必要。
- 制作コストが高くなる場合もある。
この方式も適切です。
④ 製品や部品の現物による方式
現物を使った説明は、特に製品や部品の形状・構造を理解する際に有効です。例えば、新しい製品の操作方法を学ぶ際には実物を見る方が分かりやすいでしょう。
メリット:
- 実物を見ることで具体的なイメージが湧きやすい。
- 言葉では伝えづらい部分も簡単に理解できる。
デメリット:
- 現物が常に用意できるとは限らない。
- コストが高くなる場合もある。
これも状況によっては適切な方法です。
⑤ 指導者の実演による方式
指導者自身が実演する方式は、一見すると非常に効果的に思えます。しかし、この方法には以下のような課題があります:
メリット:
- 双方向コミュニケーションが可能で、その場で質問や確認ができる。
- 実演することで細かいニュアンスまで伝えられる。
デメリット:
- 指導者個人のスキル次第で質が変わる。
- 作業標準として記録として残りづらく、一貫性が欠ける可能性がある。
- 大人数への展開には不向き(個別対応になり非効率)。
このように、「指導者の実演による方式」は一貫性と記録性という観点から見ると不適切とされます。そのため、この問題では⑤が正解となります。
問題の要点まとめ
- 作業標準とは:仕事を効率的・正確に行うための手順書やルール集。品質向上と生産性向上につながる。
- 表現方法には以下の5つがある:
- 文章・図表: 一般的だが抽象的になり得る。
- 写真・静止画: 視覚的で直感的だが動きは伝えづらい。
- 動画: 動きを含む詳細な説明に最適だがコスト高。
- 現物使用: 実物を見ることで具体性アップ。ただしコスト面で課題あり。
- 指導者実演: 双方向性は高いものの、一貫性・記録性で劣り、不適切とされる場合あり(本問では⑤)。
感想
これは正解でした。
人によるし、その場限りってのがわかったので
実演をビデオに撮っておくとかだといいのですよね!指導者スキルのバラつきはおいておくとしても。