問題

Ⅲ-1 生産形態の区分の観点ア~オと生産形態 a~e の組合せとして、最も適切なものはどれか。

【区分の観点】         【生産形態】
ア. 生産と注文の時期      a. 見込生産・受注生産
イ. 生産方式          b. 多種少量生産・少種多量生産
ウ. 生産品種・生産量      c. プッシュ型・プル型
エ. 加工品の流れ        d. フロー型・ジョブショップ型
オ. 生産指示の与え方      e. 個別生産・連続生産

① イ-e,エ-d
② ア-c,エ-e
③ ア-e,ウ-b
④ イ-e,オ-a
⑤ ア-a,ウ-d

解答

正解は 1 になります。

問題の概要と生産形態の基本

生産形態とは、企業が製品をどのように生産するかを分類するための枠組みです。
生産形態を理解することは、効率的な生産管理やコスト削減、品質向上などに直結します。


生産形態の分類には、さまざまな観点がありますが、主に以下の5つの観点がよく使われます。

  • 生産と注文の時期
  • 生産方式
  • 生産品種・生産量
  • 加工品の流れ
  • 生産指示の与え方

それぞれの観点に応じて適切な生産形態が存在し、これらを正しく理解することが技術士試験でも問われます。


各選択肢の詳細解説

ア. 生産と注文の時期

この観点は「いつ生産を始めるか」と「いつ注文を受けるか」に着目します。代表的な生産形態は「見込生産」と「受注生産」です。

  • 見込生産:市場の需要を予測して、注文が来る前から製品を作り始める方式。短納期対応が可能ですが、需要予測が外れると在庫リスクが高まります。
  • 受注生産:実際に注文を受けてから製品を作り始める方式。在庫リスクは低いですが、納期が長くなる傾向があります。

該当する生産形態:a. 見込生産・受注生産


イ. 生産方式

生産方式は「どのような単位で生産を行うか」「生産の流れや規模」に着目します。代表的なものは「個別生産」「ロット生産(バッチ生産)」「連続生産」です。

  • 個別生産:顧客ごとに仕様が異なる製品を一品一様で生産します。
  • 連続生産:同じ製品を大量に、途切れなく生産し続ける方式。主に大量生産品に適します。

該当する生産形態:e. 個別生産・連続生産


ウ. 生産品種・生産量

この観点は「どれだけ多くの種類の製品を、どれだけの量生産するか」に着目します。

  • 多種少量生産:多くの種類を少量ずつ生産します。顧客ニーズに柔軟に対応できますが、生産効率が下がる傾向があります。
  • 少種多量生産:少ない種類の製品を大量に生産します。効率的ですが、需要変動に弱い面があります。

該当する生産形態:b. 多種少量生産・少種多量生産


エ. 加工品の流れ

加工品の流れは「製品が工場内でどのように移動しながら生産されるか」に注目します。

  • フロー型:装置や作業が生産プロセスの流れに沿って配置され、製品が一方向に流れていきます。大量生産に適しています。
  • ジョブショップ型:装置や作業が機能ごとに配置され、製品ごとに異なる経路をたどります。多品種少量生産に向いています。

該当する生産形態:d. フロー型・ジョブショップ型


オ. 生産指示の与え方

生産指示の与え方は「どのようにして次の工程に生産を指示するか」に注目します。

  • プッシュ型:上流工程が下流工程に対して生産指示を出します。計画生産に多い方式です。
  • プル型:下流工程が必要に応じて上流工程に生産を依頼します。ジャストインタイム生産などで使われます。

該当する生産形態:c. プッシュ型・プル型


選択肢ごとの詳細解説

① イ-e,エ-d(正解)

  • イ(生産方式)-e(個別生産・連続生産)
    生産方式は、どのような単位で生産するかを分類する観点であり、「個別生産」と「連続生産」は代表的な生産方式です。
  • エ(加工品の流れ)-d(フロー型・ジョブショップ型)
    加工品の流れは、工場内での製品の動き方に着目した分類で、「フロー型」と「ジョブショップ型」が該当します。

② ア-c,エ-e

  • ア(生産と注文の時期)-c(プッシュ型・プル型)
    生産と注文の時期は「見込生産・受注生産」で分類されるべきであり、「プッシュ型・プル型」は生産指示の与え方の分類です。誤りです。
  • エ(加工品の流れ)-e(個別生産・連続生産)
    加工品の流れは「フロー型・ジョブショップ型」で分類され、「個別生産・連続生産」は生産方式の分類です。誤りです。

③ ア-e,ウ-b

  • ア(生産と注文の時期)-e(個別生産・連続生産)
    生産と注文の時期は「見込生産・受注生産」で分類されるべきで、「個別生産・連続生産」は生産方式の分類です。誤りです。
  • ウ(生産品種・生産量)-b(多種少量生産・少種多量生産)
    こちらは正しい対応です。

④ イ-e,オ-a

  • イ(生産方式)-e(個別生産・連続生産)
    これは正しい対応です。
  • オ(生産指示の与え方)-a(見込生産・受注生産)
    生産指示の与え方は「プッシュ型・プル型」で分類されるべきで、「見込生産・受注生産」は生産と注文の時期の分類です。誤りです。

⑤ ア-a,ウ-d

  • ア(生産と注文の時期)-a(見込生産・受注生産)
    これは正しい対応です。
  • ウ(生産品種・生産量)-d(フロー型・ジョブショップ型)
    「フロー型・ジョブショップ型」は加工品の流れの分類であり、生産品種・生産量の分類は「多種少量生産・少種多量生産」です。誤りです。

まとめ:問題の要点

  • 生産形態の分類は「観点」と「該当する生産形態」を正確に対応させることが重要です。
  • 各観点ごとに代表的な生産形態が存在し、混同しやすいものもあるため、用語の意味と対応関係をしっかり理解しておく必要があります。
  • 今回の正解は①「イ-e,エ-d」であり、これは生産方式と加工品の流れの観点に対して正しい生産形態を対応させたものです。

感想

ギリギリ正解でした。

ついこの間、調べた項目だったので。

でも自信なかった(笑)過去問、久々でしたからね!!

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平成26年度 経営工学部門 Ⅲ-2問題Ⅲ-2 以下に示す、生産形態の区分の観点ア~オと生産形態a~eの組合せとして、最も適切なものはどれか。……

この過去問と、傾向同じですねえ。