令和2年度 経営工学部門 Ⅲ-6

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問題

Ⅲ-6 人-機械分析に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

① 人-機械分析は、人と機械が協同して作業を行うときに作業効率を高めるための分析手法である。

② 人-機械分析では、作業を単独作業、連合作業、不稼働に分類することが効果的である。

③ 人-機械分析では、担当する機械間を人が移動する場合、フロムツーチャートを作成し、分析を行う。

④ 人-機械分析は、人が担当する最適な受持ち機械台数を決めるために活用できる。

⑤ 人-機械分析は、段取時間の短縮を目的とした内段取・外段取作業の分析に活用できる。

近未来的なオフィスに立つ、笑顔で前髪のあるスリムな日本人女性エンジニア。彼女は『Man-Machine Chart』と表示された透明なホログラムディスプレイを指差し、人と機械の連動時間を分析している。背景のホワイトボードには標準時間算出の公式($ST = NT \times (1 + AF)$)や生産フロー図などの英文数式が記載されており、ガラス越しには自動化された工場アームが見える。ヘルメットを着用せず、スタイリッシュな作業服を身にまとった経営工学エキスパートの肖像。

解答

正解は 3 になります。

問題の概要

本問で問われている「人-機械分析(Man-Machine Analysis)」は、作業測定における「連合作業分析」の代表的な手法です。

1. なぜ「人-機械分析」が必要なのか

生産現場において、一人の作業者が一台の機械を操作している場合、作業者と機械が常に同時に働いているとは限りません。

  • 機械が自動運転中、作業者は単に「見守り」をしているだけかもしれません。
  • 作業者が材料をセット中、機械は停止しており「手待ち」が発生しています。

このような「人と機械の時間のズレ」を可視化しないままでは、真の生産性は向上しません。
人-機械分析は、これらを時間軸(タイムチャート)上で対比させることで、改善の余地を浮き彫りにします。

2. 分析の基本構造

一般的に以下のようなチャート(マン・マシン・チャート)を用いて分析を行います。

  • 人(Man)の軸: 準備、取り付け、取り外し、移動、手待ち、歩行
  • 機械(Machine)の軸: 段取、加工(自動運転)、停止(手待ち)

これらを「単独作業」「連合作業」「不稼働」の3つの要素に色分けやハッチングで区別し、どのタイミングでロスが発生しているかを秒単位で特定します。

単独作業(Independent Work): 設備や他の作業者と関係なく、一方のみが動いている状態(例:自動切削中、部品の事前準備)。

連合作業(Combined Work): 設備と作業者が協同して行う作業(例:材料のセット、手動送り操作)。この間、両者は互いに拘束されます。

不稼働(Idle/Wait): 設備や作業者が、相手の作業が終わるのを待っている停止状態。

3. 経営工学における戦略的意義

本手法の真価は、単なる効率化に留まらず、以下の経営判断に直結する点にあります。

  • 多台持ちの設計: 「機械の自動運転時間 > 作業者の付随作業時間」であれば、空いた時間で別の機械を担当できるという論理的根拠を提供します。
  • 同期化(シンクロナイズ): ライン全体のタクトタイムに合わせ、人と機械の組み合わせを最適化することで、仕掛在庫の削減を図ります。

本問では、こうした「時間と動作」の分析手法である人-機械分析に対し、空間的な位置関係を分析する「フロムツーチャート」を混同させるという、IEの基礎知識を問う非常に教育的な出題となっています。

各選択肢の詳細解説

① 人-機械分析は、人と機械が協同して作業を行うときに作業効率を高めるための分析手法である。

本記述は適切です。
人と機械の相互依存関係を解明し、アイドルタイムを削ぎ落としてスルー・プット(生産量)を最大化することがこの手法の主目的です。

② 人-機械分析では、作業を単独作業、連合作業、不稼働に分類することが効果的である。

本記述は適切です。

  • 単独作業(Independent Work): 他方の状態に関わらず進む作業。
  • 連合作業(Combined Work): 両者が拘束される作業(取り付けなど)。
  • 不稼働(Wait): 何も価値を生んでいない「ムダ」な時間。
    この分類を行うことで、どこを機械化すべきか、あるいはどこを作業改善すべきかが明確になります。

③ 人-機械分析では、担当する機械間を人が移動する場合、フロムツーチャートを作成し、分析を行う。

本記述は不適切であり、本問の正解です。
フロムツーチャートは、複数の工程や設備間での「モノの流れ」や「移動の重み」を分析するツールです。
人-機械分析において移動が必要な場合は、チャート内に「移動時間」としてプロットしますが、フロムツーチャートというマトリックス図を用いることはありません。
これはSLP(Systematic Layout Planning)などの工場レイアウト設計で使われる別種の手法です。

④ 人-機械分析は、人が担当する最適な受持ち機械台数を決めるために活用できる。

本記述は適切です。
数式モデル
($N = (l + m) / (l + w)$ など、ただし$l$=積込、$m$=加工、$w$=歩行)
の基礎データとして、人-機械分析の結果が用いられます。

⑤ 人-機械分析は、段取時間の短縮を目的とした内段取・外段取作業の分析に活用できる。

本記述は適切です。
「機械が止まっている間(内段取)」に行われている作業を「機械が動いている間(外段取)」に回せないかを検討する際、このタイムチャートは最強の視覚資料となります。

追加解説

IE(インダストリアル・エンジニアリング)を学ぶ上で、「時間分析」「経路(移動)分析」を明確に区別して整理しておきましょう。

  • 時間分析系: 人-機械分析、稼働分析(ワークサンプリング)、微動作分析。
  • 経路分析系: フロムツーチャート、流動線図、糸図。

この区分を意識するだけで、類題での失点を防ぐことができます。

まとめ

  • 人-機械分析は、人と機械の稼働状態を時間軸で同期させて分析する手法。
  • 目的はアイドルタイムの排除多台持ちの検討段取改善
  • フロムツーチャートはレイアウト検討用の物流分析ツールであり、混同に注意。
  • 分析要素は単独作業・連合作業・不稼働の3点。

感想

今日は正解でした。

人-機械分析、そこそこ学習したもんな。

しかし一瞬迷ってしまったことは内緒です。

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やっぱりこれもしっかり復習せねば・・・。

乱暴に書くとこんな感じですね。チャーハンマシンを考えてみました。

人の手待ちも多いし機械の稼働もフルではありませんね。

お客の回転率やチャーハン以外のメニューも考えるとこのようなチャートにはならないと思いますが。
まあ、あくまでもイメージ的に。
14分手待ちだと移管ので他のことやってもらわにゃ!

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この記事を書いた人

技術士試験対策と経営工学の学びを発信するブログです。
私はもともと機械設計の仕事をしており、現在は経営工学の知識やスキルを習得中です。
同じ道を進む方や、資格取得を目指す方のお役に立てる情報をお届けします。

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