令和2年度 経営工学部門 Ⅲ-10

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目次

問題

Ⅲー10 生産計画に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

① 大日程計画は、日程に関しマスターとなる長期の生産計画であり、月別の生産量を決める場合が多い。

② MRPにおける基準生産計画は、独立需要品目に対して、品目ごとにタイムバケット単位で設定した生産予定を意味している。

③ MRPにおける独立需要品目とは、その品目に対する必要時期と必要量が、上位品目の需要から算定される品目である。

④ 生産プロセス計画では、素材を製品へ変換する工程設計と各工程での具体的な作業設計が行われる。

⑤ 日程計画で用いられる図の表示形式の1つとして、横軸を時間軸とし、縦軸に、機械、作業者、工程などを割り当て、各作業の開始から終了までを長方形で示したものがある。

明るいモダンなオフィスで、チームメンバーが議論する背景の中、生産計画のガントチャートやMRPシステムのフロー図が描かれた透明なホログラムスクリーンを指し示す笑顔の日本人女性エキスパート

解答

正解は 3 になります。

問題の概要

生産計画は、企業の経営資源(人、物、金、情報)を最適に配分し、需要に合わせて効率的な生産を実現するための羅針盤です。
経営工学においては、その計画の粒度と期間によって、以下の3層構造で捉えるのが一般的です。

  1. 大日程計画(長期): 経営方針に基づき、月別あるいは四半期別の製品群ごとの生産枠を決定します。
  2. 中日程計画(中期): 月次計画を週次や旬次に落とし込み、品目ごとの具体的な生産量を確定させます。
  3. 小日程計画(短期): 日次単位での作業順序(シーケンシング)や、個々の機械・作業者への仕事の割り当て(ディスパッチング)を行います。

この計画体系の中で、特に「資材の過不足」を防ぐために考案されたのがMRP(Material Requirements Planning:資材所要量計画)です。
MRPは、最終製品の生産予定である「基準生産計画(MPS)」を入力データとし、部品構成表(BOM:Bill of Materials)を基に、各階層の部品がいつ、いくつ必要なのかを逆算(展開)します。

このとき、需要の性質を正しく定義することが不可欠です。市場の不確実性に晒される「独立需要」と、数理的な計算によって導き出される「従属需要」の区別を誤ると、在庫の過剰や欠品を招く大きな要因となります。

各選択肢の詳細解説

① 大日程計画は、日程に関しマスターとなる長期の生産計画であり、月別の生産量を決める場合が多い。

この記述は非常に適切です。
大日程計画は、工場の能力策定や人員計画の基礎となる「マスター(親計画)」です。
通常、向こう半年から1年程度の期間を対象とし、大まかな月別生産量を設定します。
これが安定していないと、現場の混乱や過度な残業、あるいは設備稼働率の低下を招きます。

② MRPにおける基準生産計画は、独立需要品目に対して、品目ごとにタイムバケット単位で設定した生産予定を意味している。

この記述は適切です。
基準生産計画(MPS)は「完成品」など、外生的に需要が決まる品目の計画です。
MRPを実行するための「トリガー」であり、特定の時間枠(タイムバケット:日や週など)において、確定した受注と需要予測を組み合わせて作成されます。

③ MRPにおける独立需要品目とは、その品目に対する必要時期と必要量が、上位品目の需要から算定される品目である。

この記述は明確に誤り(不適切)です。
上位品目(親部品や製品)の生産計画に紐付いて、数理的に「必要時期と必要量」が算出されるのは「従属需要品目」です。
一方で、独立需要品目とは、自動車の完成車や補修用部品のように、他の品目の生産計画に依存せず、市場の動きや顧客の注文によって決まるものを指します。
MRPの論理構成において、この「算定されるもの(従属)」と「予測されるもの(独立)」の定義は、システムの設計思想そのものです。

④ 生産プロセス計画では、素材を製品へ変換する工程設計と各工程での具体的な作業設計が行われる。

この記述は適切です。
生産プロセス計画(工程計画)は、製品設計図を実際の製造手順に翻訳する作業です。
どの機械を使い(工程設計)、どのような動作で加工するか(作業設計)を詳細に規定し、標準時間を設定することで、精度と効率の両立を図ります。

⑤ 日程計画で用いられる図の表示形式の1つとして、横軸を時間軸とし、縦軸に、機械、作業者、工程などを割り当て、各作業の開始から終了までを長方形で示したものがある。

この記述は適切です。
これはガントチャート(Gantt Chart)の定義そのものです。

  • 横軸: 時間の流れ
  • 縦軸: 経営資源(設備や人)
  • 長方形(バー): 各タスクの占有時間
    これにより、負荷状況(山積み・山崩し)の確認や、遅延が発生した際のリカバリープランの策定が可能になります。

追加解説

実務におけるMRPは、現在「MRP II(製造資源計画)」や「ERP(企業資源計画)」へと進化しています。

単なる資材の計算だけでなく、人員や設備の能力(キャパシティ)を考慮した「CRP(能力所要量計画)」と連携させることで、より精度の高い実行可能な計画へと昇華されています。

また、選択肢③に関連して、現代の生産現場では「独立需要」であるサービスパーツ(修理部品)の在庫管理が高度化しています。
完成品の製造が終了しても、一定期間は予測に基づいてこれらを供給し続ける必要があり、ここでの予測精度が企業の信頼性に直結します。

まとめ

  • 大日程計画は、工場運営の根幹となる長期的な月次計画である。
  • MRPの計算起点(インプット)は、独立需要品目を対象とした基準生産計画(MPS)である。
  • 従属需要は親品目の計画から計算(算定)され、独立需要は市場予測や受注から決定される。
  • ガントチャートは、時間と資源の相関を可視化し、進捗管理を容易にする。

感想

MRPまわり、実はあんまり得意では無く。

ワタクシの中では苦手問題に位置づけています。

今日は不正解でした・・・。

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過去問でも数多く出てくるので、しっかり復習しておかないと。

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この記事を書いた人

技術士試験対策と経営工学の学びを発信するブログです。
私はもともと機械設計の仕事をしており、現在は経営工学の知識やスキルを習得中です。
同じ道を進む方や、資格取得を目指す方のお役に立てる情報をお届けします。

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