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平成23年度 経営工学部門 IV-30

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問題

設備管理におけるロスや損失に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

① 不良品を前工程に戻して良品化するためにもう一度加工するときに発生するロスは、再加工ロスと呼ばれる。

② 機械のスタートアップ時に、決められたサイクルタイムで運転しても、機械的なトラブルがなく、品質が安定して良品を生産できるまでに発生する時間的、量的ロスは、速度低下ロスと呼ばれる。

③ 設備の劣化により安全性が低下したときの損失は、劣化損失と呼ばれる。

④ 設備の故障により停止したときの損失は、停止損失と呼ばれる。

⑤ 設備の劣化や停止が起きたとき、もし起きなければ得られたであろう利益は、機会損失と呼ばれる。

解答

正解は 2 になります。

この問題は、設備管理におけるさまざまな種類のロスや損失について理解を問うものです。

設備管理におけるロスと損失

設備管理では、生産効率を最大化し、コストを最小化することが重要です。そのために、さまざまな種類のロス(無駄)や損失を理解し、それらを減らす努力をします。

各選択肢の解説

① 再加工ロス

正しい説明です。再加工ロスとは、不良品を良品にするために追加の作業(再加工)が必要になることで発生する無駄のことです。これには時間、労力、材料などのコストが含まれます。

② 速度低下ロス

不適切な説明です。この説明は実際には「立ち上げロス」または「スタートアップロス」と呼ばれるものを指しています。速度低下ロスは、機械が通常よりも遅い速度で運転されることによって発生する生産性の低下を指します。

③ 劣化損失

正しい説明です。設備が経年劣化することで安全性が低下し、事故のリスクが高まったり、品質が低下したりすることによる損失を指します。

④ 停止損失

正しい説明です。設備が故障して停止することによって生じる生産の中断や修理にかかるコストなどの損失を指します。

⑤ 機会損失

正しい説明です。設備の劣化や停止がなければ得られたはずの利益が失われることを指します。これは直接的なコストではありませんが、潜在的な収益の損失として重要です。

正解の詳細解説

正解は②です。この説明は「速度低下ロス」ではなく、「立ち上げロス」または「スタートアップロス」を描写しています。

  • 速度低下ロス:機械が本来の能力よりも遅い速度で運転されることによって発生する生産性の低下を指します。例えば、機械の一部が摩耗して、フル速度で運転できない場合などが該当します。
  • 立ち上げロス(スタートアップロス):機械を起動してから安定した生産状態に達するまでの間に発生する時間的、量的なロスを指します。この期間中は、品質が安定せず、不良品が出やすかったり、生産速度が上がらなかったりします。

図解:各種ロスの概念

生産時間
|
|  理想的な生産
|  +-----------------+
|  |                 |
|  |  実際の生産     |
|  |  +----------+   |
|  |  | 速度低下 |   |
|  |  | ロス     |   |
|  |  |          |   |
|  |  |          |   |
|立|停|再|        |   |
|ち|止|加|        |   |
|上|損|工|        |   |
|げ|失|ロ|        |   |
|ロ|  |ス|        |   |
|ス|  |  |        |   |
+-+--+--+--------+---+
時間 -->

この図は、理想的な生産と実際の生産の差を示しています。各種ロスがどのように生産性に影響を与えるかを視覚的に表現しています。

まとめ

設備管理において、さまざまな種類のロスや損失を正確に識別し、理解することは非常に重要です。これらを適切に管理することで、生産効率を向上させ、コストを削減することができます。経営工学では、これらのロスを最小化するための方法論や技術を研究し、実践しています。

感想

なるほどねえ。

思いっきり間違った回答をしてしまいました。

よくよく解説を調べていくとその通りだな、って思いますね。

また勉強になった。

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