平成24年度 経営工学部門 IV-1PR含む

問題

Ⅳ-1 動作経済の原則に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

① できる限り、楽で自然なリズムで仕事ができるように仕事をアレンジすること

② 注視の回数はできるだけ少なく、かつ視点移動の往復間隔を長くすること

③ 正しい姿勢がとれる形及び高さの椅子を各作業者に備えること

④ 手及び身体の動作は、仕事が十分にできる最小単位のものに限定すること

⑤ できるだけ落とし送りを利用すること

解答

正解は 2 になります。

まず、動作経済の原則とは何かから始めましょう。

動作経済の原則とは?

動作経済の原則とは、作業をする人ができるだけ疲れずに、効率よく仕事ができるようにするための考え方です。簡単に言えば、「楽をして、でも仕事はしっかりできる」ようにする方法です。

では、問題の選択肢を1つずつ見ていきましょう。

① できる限り、楽で自然なリズムで仕事ができるように仕事をアレンジすること

これは正しい原則です。無理なく自然に仕事ができれば、疲れも少なくなり、長時間働いても効率が落ちにくくなります。

③ 正しい姿勢がとれる形及び高さの椅子を各作業者に備えること

これも正しい原則です。背中や腰に負担がかからない姿勢で仕事ができれば、疲れにくくなります。

④ 手及び身体の動作は、仕事が十分にできる最小単位のものに限定すること

これも正しい原則です。余計な動きを減らすことで、エネルギーを節約し、効率よく仕事ができます。

⑤ できるだけ落とし送りを利用すること

落とし送り」とは、重力を利用して物を移動させる方法です。例えば、高い場所から低い場所へ物を滑らせて移動させるなどです。これも正しい原則で、人力で持ち上げたり運んだりする労力を減らすことができます。

② 注視の回数はできるだけ少なく、かつ視点移動の往復間隔を長くすること

これが不適切な原則です。なぜなら:

  1. 注視(じっと見ること)の回数を減らすと、ミスを見逃す可能性が高くなります。
  2. 視点移動の往復間隔を長くすると、首や目の疲労が増える可能性があります。

正しくは、「適切な頻度で注視し、視点移動の往復間隔も作業に合わせて適切に設定する」べきです。

まとめ

動作経済の原則は、「楽をして効率よく仕事をする」ための方法です。ただし、楽をするだけでなく、正確さや安全性も考慮する必要があります。選択肢②は、楽をしすぎてミスや疲労を増やす可能性があるため、不適切だと言えます。

作業環境や方法を改善する際は、このような原則を参考にしながら、実際の作業者の意見も聞いて、最適な方法を見つけていくことが大切です。

感想

思いっきり間違いました。

「落とし送り」って、知らなかったなあ。

これがあやしい!とばかり選んでしまいましたよ。

しっかり読み直しておこう。