問題

IV-11 ワークサンプリングに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

① ワークサンプリングから求めた余裕率は、標準時間の設定で利用できる。

② 主体作業は、主作業と付随作業から構成される。

③ ワークサンプリングを用いると、作業時間や稼働時間などの時間値が直接観測できる。

④ ワークサンプリングによる観測回数は、統計理論により決定できる。

⑤ 予備観測を行う理由の1つに、観測項目を設定することが挙げられる。

解答

正解は 3 になります。

この問題は、ワークサンプリングという作業分析手法について理解を問うものです。

ワークサンプリングとは

ワークサンプリングは、作業の状態を一定の時間間隔で観測し、その結果を統計的に分析する手法です。この方法を使うと、作業の内容や時間の使い方を効率的に調査できます。

各選択肢の解説

①余裕率の利用

この説明は正確です。ワークサンプリングで求めた余裕率休憩や疲労回復のための時間)は、標準時間を設定する際に使用されます。これにより、より現実的な作業時間の設定が可能になります。

②主体作業の構成

この説明も正確です。主体作業は以下のように構成されます:

  • 主作業:直接製品を作る作業
  • 付随作業:主作業に必要な準備や後片付けなど

例:主作業(部品の組み立て)、付随作業(工具の準備)

③時間値の直接観測(不適切)

この説明は不適切です。ワークサンプリングでは、時間値を直接観測するのではなく、作業の状態を一定間隔で観測し、その頻度から時間を推定します。

正しい説明:ワークサンプリングでは、作業状態の観測頻度から時間を推定するため、直接的な時間測定は行いません

④観測回数の決定

この説明は正確です。ワークサンプリングの観測回数は、統計理論に基づいて決定されます。具体的には:

  • 必要な精度
  • 信頼度
  • 予想される作業の出現割合

これらの要素を考慮して、適切な観測回数を計算します。

⑤予備観測の理由

この説明も正確です。予備観測を行う理由には以下のようなものがあります:

  1. 観測項目の設定
  2. 作業の大まかな割合の把握
  3. 本観測の計画立案

予備観測により、より効果的な本観測が可能になります。

まとめ

以上の解説から、③の「時間値の直接観測」に関する説明が不適切であることがわかります。他の選択肢はすべて正しい説明となっています。

補足:ワークサンプリングの特徴と利点

特徴説明
統計的手法作業状態を一定間隔で観測し、統計的に分析
間接的時間測定直接時間を測るのではなく、観測頻度から推定
複数作業者の同時観測一人の観測者が複数の作業者を同時に観測可能
長期間の観測数日から数週間にわたる長期観測が可能

利点:

  1. 作業者への心理的影響が少ない
  2. 大規模な作業分析が効率的に行える
  3. 稀にしか起こらない作業の把握が可能
  4. 費用対効果が高い

ワークサンプリングは、これらの特徴と利点により、多くの企業で作業分析や業務改善に活用されています。直接的な時間測定ではないものの、統計的手法を用いることで信頼性の高い分析が可能となります。

感想

これ、つい先日お話を聞きました。

ああ、なるほどねえと思ったのですが不正解でした・・・・。

もっと勉強せねば。