問題

納期管理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

① 納期管理の目的は、決められた納期どおりに品物をお客又は後工程に納入することであり、納期遅延はもちろんのこと、早期納入も防ぐことである。

② 個別受注生産品の納期管理は、各生産プロセスにおいて適切な生産スケジュールを立て、このスケジュールどおりに生産を進めていくことが重要である。

③ 製品や部品の設計遅れを防ぐ方策には、設計作業プロセスで細かく設計の進捗管理を行っていくこと、設計に遅れが生じてもその後の工程に影響がでないよう設計用の時間を確保しておくことなどがある。

④ 外注品の納期遅延は外注先自身に原因があるから、外注先の能力以上の受注や工程管理の不備、納期意識の責任感不足などの根本原因を調査し、その改善策を立案し、実施し、評価し、再発を防止することが発注側に求められている。

⑤ 製造部門での納期管理は、進捗管理とも呼ばれ、仕事の進行状況を把握し、日々の仕事の進み具合を調整するために、進度分析、進度判定、進度対策、効果確認などを行うことによって実施される。

解答

正解は 4 になります。

まず、納期管理とは、製品やサービスを約束した日時(納期)に顧客や次の工程に届けるための管理活動のことです。

それでは、各選択肢を順番に見ていきましょう。

① 正しい説明です。納期管理の目的は、決められた日に製品を届けることです。遅れるのはもちろん問題ですが、早すぎるのも在庫の問題などを引き起こす可能性があるので避けるべきです。

② 正しい説明です。個別受注生産お客様の注文ごとに製品を作る方式)では、各工程で適切な計画を立て、それに従って生産を進めることが重要です。

③ 正しい説明です。設計の遅れを防ぐために、細かく進捗を管理したり、余裕を持ったスケジュールを組んだりすることは有効な方策です。

④ ここに誤りがあります。外注品他の会社に作ってもらう部品など)の納期遅延の原因は、必ずしも外注先だけにあるわけではありません

⑤ 正しい説明です。製造部門での納期管理は進捗管理とも呼ばれ、仕事の進み具合を日々確認し、必要に応じて調整を行います。

外注品の納期遅延の原因には、以下のようなものが考えられます:

1.外注先の問題

  • 生産能力を超えた受注
  • 工程管理の不備
  • 納期に対する意識の低さ

2.発注側(自社)の問題

  • 無理な納期設定
  • 仕様変更の遅れ
  • 必要な情報や材料の提供遅れ

3.その他の要因

  • 天災や事故
  • 原材料の供給不足

したがって、外注品の納期遅延に対しては、外注先だけでなく自社の問題も含めて総合的に原因を調査し、改善策を立てる必要があります。発注側である自社にも責任があり、外注先との協力関係を築きながら問題解決に取り組むことが重要です。

選択肢④の問題点:

  1. 「外注品の納期遅延は外注先自身に原因がある」という断定は不適切です。
  2. 発注側の責任も考慮せず、外注先のみに問題があるという前提は誤りです。
  3. 発注側と外注先が協力して問題解決に取り組む視点が欠けています。

正しい対応としては:

  1. 外注先と自社の両方の視点から原因を調査する。
  2. 外注先との良好なコミュニケーションを維持し、問題の早期発見と解決に努める。
  3. 必要に応じて、発注側の業務プロセスや納期設定の見直しも行う。

このように、納期管理は単に期日を守るだけでなく、生産全体の効率化や品質向上、コスト削減にもつながる重要な活動です。製造業では、この納期管理を適切に行うことで、顧客満足度の向上や競争力の強化を図ることができます。

感想

納期。仕事しているとついて回るものですので、経営工学のジャンルでなくとも知識はありますよね。

私も正解しました。

しかしながら!

この誤りとされている事例④がいかに世の中にはびこっているか!!

賛同してくれる方も多いのでは?

相互に歩み寄って解決、といきたいものですがなかなか・・・・・・。