問題

次のa~eの事象のうち、フェールセーフに関する事象の数として、適切なものはどれか。

a. 設備が稼働しているとき誤って手が近づけられないように、カバーを取り付けた。

b. スイッチの切り忘れを防ぐために、設備が空転のまま一定時間が経過すると設備が停止するようにした。

c. 設備の作業者が決められた設備以外で作業ができないように、設備に鍵を取り付けた。

d. 組付け方向の間違えが起きないように、方向を検知できる治具を用いるようにした。

e. 停電したときに設備が停止しないように、発電設備を設置した。

① 0個

② 1個

③ 2個

④ 3個

⑤ 4個

解答

正解は 2 になります。

フェールセーフとは

フェールセーフとは、システムや機器が故障した場合でも、安全な状態を維持するための設計思想です。つまり、何か問題が起きても、危険な状況にならないように、あらかじめ安全な状態に固定する仕組みのことです。

各事象の分析

a~eの事象を一つずつ見ていきましょう。

a. カバーの取り付け
これはフェールセーフではありません。これは事故防止のための安全対策ですが、故障時の安全確保ではないため、フェールセーフには該当しません。

b. 一定時間後の自動停止
これはフェールセーフの一例です。スイッチの切り忘れという人為的ミスが発生しても、自動的に安全な状態(停止状態)に移行するため、フェールセーフの考え方に合致します。

c. 鍵の取り付け
これはフールプルーフの例です。フールプルーフとは、人間の誤った使用を防ぐ設計のことで、フェールセーフとは異なります。

d. 方向検知治具の使用
これもフールプルーフの例です。組付け方向の間違いという人為的ミスを防ぐための対策であり、フェールセーフではありません。

e. 発電設備の設置
これはフェールセーフの逆の考え方です。フェールセーフでは、故障時に安全のために停止することを目指しますが、この例では停止を避けようとしています

結論

フェールセーフに該当するのは、b の1つだけです。したがって、正解は ② 1個 となります。

補足:フェールセーフとフールプルーフの違い

特徴フェールセーフフールプルーフ
目的故障時の安全確保人為的ミスの防止
対象機器やシステムの故障人間の誤操作
自動停止機能誤操作防止の鍵

この表から、フェールセーフとフールプルーフは似ているようで異なる概念であることがわかります。両者とも安全を確保するための方法ですが、対象とする問題が異なります。

感想

いや~。見事に引っかかりました。

フェールセーフとフールプルーフ、いわゆるポカヨケと混同してましたわ。

こういう問題は面白いですね。

どんどん解いていきたい!!