問題

経済性工学に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

① 新たな投資案の比較を行うとき、既に行われた投資において埋没費用と評価される部分も、新たな投資案の費用項目として考慮する必要がある。

② 製品の供給能力に対して需要が下回っている場合を「手不足状態」と呼ぶ。

③ 2つの代替案を比較するとき、経済的な評価が等しい点を「損益分岐点」と呼ぶ。

④ 2つの代替案を年価法で比較したときの優劣は、終価法で比較したときの優劣と変わらない。

⑤ 複数の代替案が互いに干渉しあわず、有利な案を自由に組み合わせて選んでもよい場合を「排反案からの選択」と呼ぶ。

解答

正解は 4 になります。

経済性工学の基本的な概念を説明し、その後に各選択肢を詳しく見ていきます。

経済性工学の基本概念

経済性工学とは、限られた資源を最も効率的に利用するための方法を考える学問です。特に、投資やプロジェクトの評価において、どの選択肢が最も経済的に優れているかを判断するために使われます。

各選択肢の解説

①について

不適切な記述です。埋没費用は、既に支出されて回収できない費用であり、新たな投資案の評価には含めません。

②について

不適切な記述です。供給能力に対して需要が下回っている場合は「供給過剰」や「需要不足」と呼ばれます。「手不足状態」は通常、労働力が足りない状況を指します。

③について

不適切な記述です。損益分岐点は、収入と費用が等しくなる点を指します。代替案の経済的評価が等しい点は「無差別点」と呼ばれることがあります。

④について

適切な記述です。年価法終価法は、異なる時間軸での価値比較方法ですが、同じ条件下では優劣は変わりません。したがって、この選択肢が正解です。

⑤について

不適切な記述です。排反案とは、互いに排他的でどちらか一方しか選べない案を指します。有利な案を自由に組み合わせて選べる場合は「独立案」と呼びます。

図解

以下の図は、年価法と終価法の比較方法を示しています:

年価法: 各年の価値を均等化して比較終価法: 最終的な価値で比較┌─────────────┐│ 年価法 終価法 │├─────────────┤│ 年毎の一定額 │ 最終的な総額 │└─────────────┘両者とも同じ条件下では優劣は変わらない。

この図からも分かるように、年価法と終価法で比較した場合の結果は一致します。

したがって、④の記述が最も適切であり正解となります。

感想

経済性工学という言葉自体知りませんでした・・・・。

しかも問題を見るとなかなか難しい。

全部正しいのでは?なんて考えてしまいます。

解説を見てああ、なるほどって思いました。

日々精進ですわ!!